脳梗塞も招く不整脈
高齢者と生活習慣病患者は要注意
脈拍(心臓の拍動)が乱れる症状を「不整脈」と呼ぶ。不整脈は死ぬ危険性とすぐ結び付けられがちだが、9割は致死的なものではない。とはいえ油断は禁物。心臓血管研究所(東京都港区)の山下武志所長は「高齢になるほど、高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病のある人ほど、命の危険につながる不整脈が起こりやすくなります」と警告する。
▽最も危険な心室細動
心臓は、血液を送り出すポンプの役割を果たす「心室」と、その上にあって心室に送り込む血液量を調節する「心房」との左右1組ずつで構成される。これらが規則的な収縮と拡張を繰り返し、血液を全身に供給する。
不整脈の中で最も危険なのが「心室細動」で、「致死性不整脈」とも呼ばれる。心室が小刻みにけいれんするだけで規則的な収縮がなくなり、血液を送り出せなくなる。放置すると脳が虚血状態となって意識を失い、死に至りかねない。心室細動の人を見つけたらすぐさま自動体外式除細動器(AED)で心室細動を止め、規則的な収縮運動を取り戻す必要がある。
ただ、心室細動は誰にでも起こり得るわけではない。山下所長は「心臓に持病がある人や遺伝的に心臓に異常を抱えた人に限られます」と話す。
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(2018/08/28 09:50)