一流に学ぶ 「美と健康」説くスポーツドクター―中村格子氏

(第5回)
日本代表チームのドクターに
一流選手の日常に感動


 ◇「全部やり切る」努力に学ぶ

 冬季五輪に5回出場し、バンクーバー大会(2010年)で小平奈緒らと共にチームパシュートで日本女子スピードスケート史上初の銀メダルを獲得した田畑真紀選手のことは、特に鮮明に記憶に残っている。

2010年にオマーン・マスカットで開催された第2回アジアビーチゲーム閉会式で
 「『私はこういう不調があるんだけど、何をしたらいいんでしょう』って相談されて、ストレッチの方法を教えたら、半年後くらいに会った時に、『あれから先生に言われた通り、毎日やってだいぶ良くなりました』と言ってくれました。朝5時から自転車をこぎ、夜寝る直前まで読書したりスケートの刃をといだりと、やれることは全てやっていた。努力ってこういうことなんだな、私の努力なんて努力じゃなかったなって思いました」

 一流になれるかどうかは才能もあるが、やるかやらないかだと中村氏は言い切る。

 「その人に与えられた限られた時間をどういうふうに過ごすかということ。自分の努力を最大限に生かすために取り入れられることは全部取り入れるというスタンスですね。選手一人ひとりが謙虚で真摯(しんし)で一生懸命。一流とはこういうことなんだなと勉強になりました」(ジャーナリスト・中山あゆみ)


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◇中村格子氏プロフィルなど

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