女性アスリート健康支援委員会 五輪の扉開いた心技体の成長

子育てと両立、コーチとして東京五輪へ
「日本代表に最高の成果を」―福見友子さん

 27歳でロンドン五輪への出場を果たし、金メダルには届かず5位だった福見友子さんは翌2013年に現役を引退した。1年間の英国留学などを経て、今はJR東日本女子柔道部のヘッドコーチを務める。監督のパワハラ問題に揺れ、指導体制を刷新した全日本女子代表のコーチの一員でもある。

 全日本女子代表でコーチとして指導する福見友子さん。アゼルバイジャン・バクーで開かれた2018年9月の柔道世界選手権で(時事)
 結婚して、17年1月には男の子を出産した。「予定日より1カ月ほど早く生まれたのに、すごく安産で。柔道をしていて良かったなと思いました」と笑う。

 産休を取って復帰後も、世界を目指して戦うトップレベルの選手たちを指導する役割に変わりはない。会社の理解や家族のサポートもあり、保育園に子どもを預け、子育てと両立させている。

 練習を見る時間はどうしても限られる。その中で選手と向き合う時間を大切にしている。「自分がこうだと思ったことは『後出し』せずに、その時にしっかりと選手に伝え、解決するようにしています」

 ◇女性はけがしやすい時期が

 JR東日本女子柔道部では、女性アスリート特有の月経困難症や無月経などの健康と栄養の問題についてスポーツ医学の専門家を招いて勉強する機会も設けた。男性の監督も同席して、一緒に最新の知識を学んだ。

 「けがをしやすい時には無理をしないで、危険性のない練習に変えるといったコントロールをしています」と話す福見友子さん
 「男性指導者も問題をしっかり理解し、選手と共通意識を持って対応していくことが大事。女性の選手がなかなか言いにくい月経のことでも、遠目から見守り、トレーナーから情報をもらって『今はこういう時期だから調子がいい』といった具合に、常に確認しながら稽古を行っています。学校現場でも、こうした情報の共有をできたらいいなと思います」

 個人差はあるが、月経前から月経中にかけては「イライラして集中力が低下しやすい」「コンディションが悪い」などと自覚する選手は多い。そういう時期にけがをしていることが多いといわれる。その点を踏まえ、「JR東日本の選手は社会人としての自覚を持ち、けがをしやすい時には無理をしないで、危険性のない練習に変えるといったコントロールをしています」と言う。

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