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連載趣旨と筆者略歴
▼連載の趣旨
日本では毎年新たに、約100万人ががんと診断され、約40万人ががんで亡くなっている。一生のうちにがんと診断される人は男性の3人に2人、女性の2人に1人と試算されている。こうした現状を踏まえて、小学・中学校、高校の教育課程の中で「がん教育」が開始された。連載では、がん教育が始まった経緯から、実際に授業でどのようなことが行われているか、子どもたちや学校の先生、外部講師として関わる医師、看護師が感じていることなどをがん教育に参加した医師の目線で解説したい。
▼筆者略歴
中川恵一(なかがわ・けいいち)
東京大学医学部附属病院・総合放射線腫瘍学講座特任教授
1960年、東京大学医学部放射線科医学教室入局。准教緩、緩和ケア診療部長(兼任)などを経て2021年より現職。 著書は「自分を生ききる-日本のがん治療と死生観-」(養老孟司氏との共著)、「ビジュアル版がんの 教科書」、「コロナとがん」(近著)など多数。 がんの啓蒙(けいもう)活動にも取り組んでいる。
南谷優成(みなみたに・まさなり)
東京大学医学部附属病院放射線治療専門医。
2015年、東京大学医学部医学科卒業。放射線治療医としてがん患者の診療に当たるとともに、健康教育やがんと就労との関係を研究。がん教育などに積極的に取り組み、各地の学校でがん教育の授業を実施した。