石川和夫 医師 (いしかわかずお)

秋田大学医学部附属病院

秋田県秋田市広面字蓮沼44-2

  • 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 科長、教授

耳鼻咽喉科 頭頸部外科

専門

めまい、頭頸部がん、顔面麻痺、聴力改善術、聴神経腫瘍

石川和夫

秋田県屈指の耳鼻疾患の専門科を率いる石川和夫医師。詳細な平衡機能検査を駆使して多岐にわたるめまいの原因疾患を突き止め、患者のQOL を重視した治療を行っている。また、難聴が社会生活に与える影響の大きさを考慮し、耳疾患や聴神経腫瘍などで手術が必要な場合には、聴力保存ないし改善を目指すとともに、高度難聴症例への人工内耳の埋め込み術にも積極的に取り組んでいる。さらに、頭頸部がんの治療においても優れた成績を維持している。海外の学会にも所属し、国内で国際学会を主催するなど、国際的な視野を持つことに心掛けている。

診療内容

秋田県内唯一の大学病院にある耳鼻咽喉科として、聴覚、平衡、嗅覚、味覚、嚥下、発声という幅広い範囲の疾患を診療し、多くの患者の信頼を集めている同科。
同科を率いる石川医師は、めまい、頭頸部がん、顔面麻痺、聴力改善術、聴神経腫瘍を専門にしている。
めまいには、末梢性めまいや中枢性めまいなど、様々な原因疾患がある。末梢性めまいの中では良性発作性めまいが一番多く、耳鳴りとめまい発作を繰り返すメニエール病がそれに続く。中枢性めまいには、椎骨脳庭動脈循環不全症が多い。そのほか、めまいの10%弱は耳の奥に腫瘍ができる聴神経腫瘍が占めている。また、自律神経の働きが悪くなり、立ったり起きたりする動作に伴ってめまいが起きることもある。そのため、何が原因でめまいが起きているか正確に知ることは非常に大切だ。同科では各種平衡機能検査をはじめとする総合的な神経耳科的検査を行い、的確な診断と治療に活かしている。
聴神経腫瘍は聴神経にできる良性の腫瘍で、比較的40~60代に多く、男女差はほとんどない。自覚症状は耳鳴り、難聴、めまい、歩行障害、耳のつまり、顔面知覚異常、味覚障害など多岐にわたる。聴神経腫瘍に特徴的な聴力型はなく、聴力検査だけでは診断をすることができない。同科では、聴覚系の詳細な検査や各種前庭機能検査、レントゲン検査、MRIなどの検査を行い早期に正確な診断をするようにしている。
聴神経腫瘍の治療は、経過観察、手術、ガンマナイフのいずれかだ。治療では、顔面神経の機能と聴力を可能な限り保存しつつ、腫瘍を全摘、縮小することを目指す。聴神経腫瘍摘出のための手術には、中頭蓋窩法、後頭蓋窩法、経迷路法があるが、聴力保存を大切にする石川医師は、主に中頭蓋窩法を行っている。手術は脳外科の医師とチームを組んでなされる。また、頭頸部がんの診断と治療は同科の伝統であり、現在は頭頸部外科学会の理事を務める石川医師の指導のもと、日本トップレベルの治療成績の維持、向上に努めている。頭頸部領域の悪性腫瘍で多い扁平上皮がんに対しては、原則として術前照射化学療法、手術及び即時再建(有茎・遊離皮弁、遊離空腸、必要に応じて複合遊離皮弁など)を行う。 
石川医師は顔面神経研究会運営委員を務めており、顔面麻痺の診断と治療にも積極的に取り組んでいる。近年では各種神経再建法を駆使して機能回復の成績向上に努めているほか、再生に関する基礎的研究も行っている。
難聴が社会生活に与える影響の大きさを理解している石川医師。慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎による難聴に対する聴力改善術では、補聴器では対応できない高度難聴症例に対する人工内耳を行い、患者のQOLの向上を目指している。さらに、小児の難聴発見の遅れは後の言語発育に深刻な影響を与えるため、中堅・若手医師とともに全国にさきがけて難聴スクリーニング体制を整えている。
地方大学病院には、「県内のあらゆる耳鼻科疾患に対応することが求められている」と言う石川医師。同科では特殊外来として、アレルギー外来、いびき外来、難聴外来、を設置し、患者サービスの向上に努めている。今後は音声、味覚、嗅覚、嚥下といった分野の特殊外来の設置も考えているという。

医師プロフィール

1976年5月 国立水戸病院耳鼻咽喉科 医員
1982年4月 秋田大学医学部耳鼻咽喉科 助手
1982年10月 ベイラ-医科大学耳鼻咽喉科留学(2年間) リサーチフェロウ(米国、ヒューストン)
1989年 4月 秋田大学医学部耳鼻咽喉科 講師
1991年10月 同上 助教授
1998年7月 同上 教授