肥塚泉 医師 (こいづかいずみ)

聖マリアンナ医科大学病院

神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1

  • 耳鼻咽喉科
  • 診療部長、教授

耳鼻咽喉科 頭頸部外科

専門

めまい、平衡障害、中耳手術、外リンパ瘻手術、アブミ骨手術、人工内耳手術

肥塚泉

肥塚泉医師が率いるめまい外来ではこれまで5万人以上を診察し、問診と検査でめまいを解決してきた。大学のめまい研究グループでは、めまい疾患に対するリハビリテーション法の考案、前庭系の可塑性に関する研究、リハビリテーション効果判定装置(仮称)の開発(特許取得済み)などのほか、宇宙酔いや乗り物酔いに関する基礎的な検討も。1998年にはスペースシャトル・コロンビア号上で、宇宙酔いに関する実験を行っている。

診療内容

同科では、耳、鼻、咽頭、喉頭および耳下腺、顎下腺、甲状腺などのいわゆる頭頸部領域と呼ばれる部位に生じる様々な疾患が治療対象。これら様々な部位に生じる多種多様の疾患に対応すべく、各々の部位や疾患のエキスパートによる専門外来を実施している。診察ではまず、めまいの原因となる主な症状について、問診で一つひとつ確認。「喋りにくさ」「麻痺」「しびれ」「手足が動かしにくい」などの症状がある場合は、脳の異常が疑われる。「難聴」「耳鳴り」「耳つまり」などがある場合は、耳の異常が疑われる。さらに眼振検査では、めまいが起きているときに目に異常な動きがあるかを探る。めまいの種類は、大きく分けて「グルグルめまい」(急に天井が回る、景色が回転するなど)、「フワフワめまい」(船に乗ったときのような感じがする)、「クラッとめまい」(立ちくらみ、目の前が暗くなるなど)――の3つがある。「グルグルめまい」で一番多いのが、「良性発作性頭位めまい症」。「耳石」と呼ばれる炭酸カルシウムの粒がはがれて三半規管の中に入り込むことで引き起こされ、更年期の女性がかかりやすい(女性ホルモンの低下によってカルシウム不足になり、耳石がはがれやすくなるため)。治療方法は、頭を動かして三半規管に入った耳石を元の場所に戻すというもの。5分くらいの治療で、7割の人に改善や症状がなくなるという効果がある。「グルグルめまい」には、上記以外の病気が隠されているケースも。めまいの症状とともに発症する症状で、ある程度見分けることができる。
・グルグルめまい+難聴、耳なり→メニエール病、突発性難聴
・グルグルめまい+ふらつき→前庭神経炎
・グルグルめまい+手足のしびれ→脳卒中
メニエール病の場合、内耳は内リンパ液が増えすぎて水ぶくれのような状態になっている。治療には、その水ぶくれを改善する利尿薬などの薬を使用。また、メニエール病にはストレスが関係すると言われているため、趣味などで気分転換を図るなどストレス管理を行うよう勧める。
前庭神経炎などの場合、前庭神経に炎症や血流障害が起こっているため、入院して安静を保ち、ステロイドホルモン薬を使って神経の働きの改善を図る。
突発性難聴の場合も、入院して安静を保ち、ステロイドホルモン薬を使って治療。治療が遅れると聴力の回復が難しいため、発症後7~10日以内には治療を開始することが大切である。 なお、めまい外来では、めまい疾患全般についての診断および治療はもちろん、良性発作性頭位めまい症に対する理学療法、難治性メニエール病に対する中耳換気チューブ留置術や内リンパ嚢開放術などの外科治療も、積極的に行っている。

医師プロフィール

1981年 聖マリアンナ医科大学 卒業、大阪大学医学部耳鼻咽喉科にて研修
1982年 自然科学研究機構生理学研究所に留学
1988年 大阪大学医学部耳鼻咽喉科助手
1990年 ピッツバーグ大学医学部耳鼻咽喉科に留学
1992年 大阪大学医学部耳鼻咽喉科学内講師
1994年 東大阪市立中央病院耳鼻咽喉科部長
1995年 聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科講師
1997年 聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科助教授
2000年 聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授