内田広夫 医師 (うちだひろお)

名古屋大学医学部附属病院

愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65

  • 小児外科
  • 科長

小児外科 外科

専門

内視鏡外科、新生児外科、腫瘍外科

内田広夫

内田広夫医師は、傷が小さく負担も少ないなど内視鏡手術のメリットを活かし、小児においても内視鏡手術を積極的に採用し、その件数は全国一である。最近では、へそのみからアプローチする単孔式手術「腹腔鏡下そけいヘルニア根治術」を開発。また、悪性腫瘍においても全国で最多レベルの治療を行うと同時に、感染症対策や治療後の機能経過を注視する姿勢をもつ。2012年4月現在、全国で21名しか認定されていない日本内視鏡外科学会技術認定医(小児外科部門)のひとりであり、同分野での学会・論文発表を多く行う。

診療内容

内田医師が小児外科長兼部長を務める同センターでは、生まれつきの外科疾患・腫瘍・炎症性疾患などの診断や治療を行う。
「小児外科ではそれぞれの子どもの特性を考慮して考えられた術式を的確に行う必要があり、そのための技量も重要です」と内田医師。長期に渡る日常生活を支えるため、治療後の機能にも十分に配慮した診察を心掛ける。
具体的な症状としては「足の付け根やおへそが飛び出ている(そけいヘルニア・臍ヘルニア)」「肛門周囲の炎症やおでき(肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻)」「よく吐く(肥厚性幽門狭窄症・胃食道逆流症)」「便秘(ヒルシュスプルング病・慢性便秘症)」「おなかや胸を痛がる(急性虫垂炎・腸重積・腸閉塞・膵炎・急性腸炎・気胸など)」「生まれつきの消化器・呼吸器の病気(産院から直接紹介されるケースが多い)」「胸に変形がある(漏斗胸・鳩胸)」「体が黄色い(胆道閉鎖症・先天性胆道拡張症)」「食べてはいけないものを食べてしまった(消化管異物)」「気管に誤ってものが入ってしまった(気道異物)」「おなかが張っている(腹部膨満)」「おなか・胸、首などにしこりがある(良性腫瘍・悪性腫瘍)」「おなかや胸を強く打った(腹部・胸部外傷)」「便に血液が混じる(潰瘍性大腸炎・クローン病・メッケル憩室炎・大腸ポリープなど)」 など多数。なお、外科的な症状はすべて診察するが、一般の外傷や熱傷などには対応していない。
年間手術数は外科全体で約700件(新生児手術は40~50例)と、全国でもトップレベル。うち内視鏡手術は年間400件を超える(全国一)など、他院では開腹・開胸で行われる手術も積極的に内視鏡で行い、子どもへの負担を軽減している。
「内視鏡手術は手術創が小さいため、術の傷が残りにくいだけでなく、術後の疼痛が軽くなります。また、歩行開始や食事の開始が非常に早く、結果的に入院期間の短縮につながります。いまだ発展途上の先進医療ですが、安全性を第一に考え手術を行っており、今後もお子さん達のQOL向上をめざし、積極的に行っていくつもりです」(内田医師)とはいえ、もちろん一般的に行われている開腹・開胸手術も行う。「内視鏡手術を安全に行うためには、より多くの解剖学的知識を必要としますし、手術術野の展開も工夫が必要となります」と内田医師。内視鏡手術をより多く行うことで、さらに一般的な開腹・開胸手術をより繊細に、安全に行えるようになっているのだそうだ。手術として最も多いのは、そけいヘルニアであり、全体の半数弱である約300件を占めているとのこと。
最近では、へそのみからアプローチする「腹腔鏡下そけいヘルニア根治術」を開発。その整容性のよさ、安全性の高さが評価を受けている。これは単孔式と呼ばれる術式で、へそからカメラと鉗子を挿入して手術を行うもの。術後はへそのしわに傷が隠れるため、傷がほとんど分からなくなる。開発後も改良が加えられており、2010年度はこの手術で約250件を施行した。なお、病棟は原則的に付き添いの必要がない基準看護であるが、状況に合わせて母子が同室で入院できる設備も備え、快適な入院生活が続けられる配慮がなされているという。

医師プロフィール

1989年 東京大学医学部 卒業
2001年 獨協医科大学越谷病院小児外科講師
2003年 埼玉県立小児医療センター小児外科医長
2009年 埼玉県立小児医療センター小児外科科長
2010年 埼玉県立小児医療センター小児外科科長兼部長
2013年8月 名古屋大学大学院医学系研究科 小児外科学 教授