窪田正幸 医師 (くぼたまさゆき)

新潟大学医歯学総合病院

新潟県新潟市中央区旭町通一番町754

  • 小児外科
  • 科長、教授

小児外科 小児科 外科

専門

新生児外科疾患(呼吸器、消化器、肝・胆道、泌尿器)、小児肝胆道疾患、小児泌尿器疾患、小児呼吸器外科、小児固形悪性腫瘍。小児内視鏡外科

窪田正幸

窪田正幸医師は、小児外科の領域の中でも、新生児外科、小児肝胆道疾患、小児泌尿器、小児呼吸器、小児固形悪性腫瘍、小児内視鏡外科など広範な領域を専門とする。診療科長として、日々、新来患者の診療に当たりながら、多くの症例に接し、臍ヘルニアの環状切開、高頻度磁気刺激を用いた神経調節という神経機能障害に対する非侵襲的治療など、新しい治療法の開発に積極的にも取り組んでいる。現在は、巨大な気管欠損に対する代用気管の研究が産学連携により進行中で、期待が寄せられている。

診療内容

同院小児外科で治療する病気には、鼠径ヘルニアのように一般的に知られた疾患もあるが、多くはあまり知られていないものばかりだ。例えば、新生児の外科的な病気には、何千人に一人という低い頻度で発生するものも少なくない。原則として15歳未満を対象とする診療科だが、15歳を超えても同科で治療を継続することが多いことからも、疾病の特殊性をうかがうことができる。窪田医師をはじめとするスタッフは、それぞれの病気についての高度な専門的知識を身につける必要があり、さらに、できるだけ多くの患者に接して豊富な臨床経験を積むことが求められる。決して容易いことではないが、多くの病気はきちんと治療することで、その後の問題ない成長につなげることが可能なのだ。
低侵襲の治療…消化器、呼吸器、泌尿器を中心とする先天性疾患は、小児外科の幅広い領域の中でも中心となる分野で、手術成績を向上させることはもちろん、診療後・手術後のQOL(生活の質)をできるだけ高めることが求められている。同科では、新生児や子供にとって外科治療をうけるということは、たとえそれが治療に必要だとしても「人生の大きな関門であり、将来にできるだけ影響を残さないことが大切」(窪田医師)という考えのもと、内視鏡手術や小切開手術などの低侵襲の診療を推進している。
診断法では、胃食道逆流症の重症度評価のための24時間食道内pH・インピーダンス測定、直腸肛門機能検査としての直腸肛門内圧検査、高頻度磁気刺激を用いた仙骨神経機能評価など、身体への負担が小さいく新しい診断法を採用・実践。手術については、内視鏡手術を積極的に導入するとともに、単孔式内視鏡など先進的な内視鏡手術も手がけ、胸部、腹部、泌尿器の手術に応用している。例えば、女児の鼠径ヘルニアには腹腔鏡手術(LPEC法)を導入し、最小限の創で根治へとつなげている。
集学的な治療…小児悪性腫瘍の治療成績は、昨今、改善してきてはいるものの依然として小児の疾病による死亡原因のトップを占めている。同科では、小児科、放射線科、整形外科、脳外科、病理などの関連科と密な連携を保ち、それぞれの特徴をいかした小児固形悪性腫瘍の高度な集学的治療を実践。また、40年来新潟県小児悪性腫瘍のtumor boardを組織し、全県的に症例を把握しながら、絶えず治療方針を検討し合い、全県レベルで統一した治療を行っている。さらに、小児悪性腫瘍のがん関連遺伝子の検索や新たな生物学的性状を決定する因子の検索も行い、個々の症例に見合った治療法の開発、選択などを目指している。
独自の治療…同科では、独自の新しい治療法を開発している。高頻度仙骨磁気刺激を用いた神経調節は、排尿・排便を司る仙骨神経の痛んだ神経組織に、磁気刺激を加えることで神経機能を回復させる方法で、痛みや副作用を伴わない排便排尿障害の新しい治療法として注目されている。また、創傷治癒因子のbFGFをスプレー状に患部に吹き付ける痛みを伴わない乳児痔瘻の治療法や、大きなヘルニアでも治療痕を目立たなくできる臍ヘルニアの環状切開なども、同科が新しく開発した子どもたちに優しい治療法だ。

医師プロフィール

1979年6月 九州大学小児外科研修医
1983年6月 米国メイヨークリニック留学
1985年11月 九州大学小児外科医員
1987年6月 福岡市立こども病院外科医長
1988年4月 愛媛大学第二外科助手
1990年11月 九州大学小児外科助手
1995年4月 九州大学小児外科講師
1999年4月 九州大学小児外科助教授
2011年11月 新潟大学小児外科教授