瀬山邦明 医師 (せやまくにあき)

順天堂大学医学部附属順天堂医院

東京都文京区本郷3-1-3

  • 呼吸器内科
  • 先任准教授

呼吸器科 内科

専門

COPD(慢性閉塞性肺疾患)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、Birt-Hogg-Dub?(BHD)症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)などの気胸・嚢胞性肺疾患

瀬山邦明

慢性閉塞性肺疾患(COPD)、リンパ脈管筋腫症やBHD症候群などの希少肺疾患の診療に携わる専門医。COPDに対して呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)や栄養指導を含む包括的治療を実践している。禁煙外来も担当。順天堂医院禁煙推進委員長として敷地内禁煙や周辺町内会との連携で地域の禁煙推進に取り組む。2011年には最も名誉ある「日本呼吸器学会・熊谷賞」を受賞。仲間の医師や患者と「気胸・肺のう胞スタディグループ」を設立。希少肺疾患や嚢胞性肺疾患患者への支援や若手医師育成を目指す。

診療内容

「タバコ病」「肺の生活習慣病」と呼ばれるCOPDは、たばこ煙などの有害粒子やガスの吸入により徐々に肺が破壊される疾患。主な症状は、咳、痰、息切れであり、治療の第一は禁煙とされている。瀬山医師が先任准教授として所属する同院・呼吸器内科でも「禁煙外来」を設け、喫煙関連疾患を発症していない喫煙者とともに、COPDをはじめとする呼吸器疾患をもつ喫煙者に積極的に禁煙治療を行っている。
COPDは病気の進行が遅いうえ、初期症状が風邪や喘息と区別しにくく「運動不足のせい」「歳のせい」などと軽く見られがちだ。そのため、病気を自覚するのは、加齢の影響で症状が強く現れ始める60代以降と言われている。少しでも早く自覚できるよう「40歳以上で喫煙歴がある」あるいは「長年受動喫煙者であった」「慢性的に咳や痰がある」という人は、定期的にスパイロメトリー(肺機能検査)をうけることを勧めている。スパイロメトリーとは息を吐き出す力を計測することで、肺の状態や「肺年齢」がわかるものである。まだCOPDを発病していない、あるいはCOPDが軽症である時期に禁煙を促し、COPDの発症あるいは進行を予防することが重要である。
COPDであることがわかれば、禁煙だけではなく、病状に応じて、吸入薬・内服薬・呼吸リハビリ・酸素吸入などを必要とする場合もある。薬物治療では気管支拡張剤の吸入によりできるだけ息をスムースに吐き出せるようにしたり、増悪を繰り返す患者に対しては吸入ステロイドを用いたりする。それでも十分な動脈血酸素分圧を維持できない場合には在宅酸素療法を行っていく。呼吸リハビリでは、病気の理解・栄養管理・呼吸法(腹式呼吸や口すぼめ呼吸)を修得したり、パニックへの対処法を知ったり、胸郭の柔軟性や呼吸筋や下肢筋力を高めたりと、一定の期間内で諸々学んでいく。瀬山医師は、COPD専門外来・呼吸リハビリ外来・禁煙外来などの関連外来を、COPDの診療・研究グループの同僚医局員と共に運営している。
瀬山医師は、common diseaseであるCOPDの診療・研究以外に、希少肺疾患の診療・研究にも精力的に取り組んでいる。特に、リンパ脈管筋腫症(LAM)の専門外来を担当し、全国から受診する患者の診療や相談に応じている。LAMはゆっくりと進行する腫瘍性疾患であるが、希少疾患であるため臨床試験により有効性が証明された治療はなかった。
しかし、LAMの呼吸生理学的病態がCOPDと類似していることからCOPD治療の発展や考え方をLAM診療に応用し、同時にLAMの基礎研究成果を生かした治療を提案し、患者とともに希少疾患診療に取り組んできた。
瀬山医師は次のように語っている。「稀な疾患の患者さんにも、よくある病気の患者さんと同等の安心感のある確かな医療を提供できるようになりたいと思っています。同じ病名の患者さんでも、一人一人は 皆、違った悩みや問題点を抱えていますので、患者さんと一緒に考え、患者さんから学ぶ姿勢を大切にしたいと思っています」(『気胸・肺のう胞スタディグループ』ホームページより)
この思いは、α1-アンチトリプシン欠乏症、BHD症候群、などの他の希少肺疾患や気胸・嚢胞性肺疾患の診療にも生かされている。

医師プロフィール

1982年3月 北海道大学医学部 卒業
1986年3月 北海道大学大学院医学生理系修了
1988年5月 自治医科大学内科レジデント研修を修了
1988年6月 順天堂大学呼吸器内科に入局
1995年3月~1998年4月 ワシントン州立大学小児科に留学し免疫不全症候群の研究に従事