巽浩一郎 医師 (たつみこういちろう)

千葉大学医学部附属病院

千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1

  • 呼吸器内科
  • 科長 教授

呼吸器科 内科

専門

COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、肺高血圧症、SAS

巽浩一郎

大学病院では研究マインドを持った臨床が必要と考え、チームワークを大切に、幅広く呼吸器に関係する病気の診断と治療を行っている。とくに専門であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、肺高血圧症、SAS(睡眠呼吸障害)の治療には定評がある。研究の進歩により治療法が変化してきたCOPDに関しては啓蒙にも力を尽くし、著書も数多く、患者個々の病態に合わせ呼吸リハビリテーションを含めた包括的な内科治療を実施している。西洋医学を基本に東洋医学(漢方)のよい点も積極的に活用。

診療内容

COPDは決して珍しい病気ではない。40歳以上の人の8%以上、12人に1人がCOPDであることがわかっている。「90%はタバコが原因です。タバコを吸うことは1つの生活習慣で、このような観点から見ると、COPDは肺の生活習慣病と考えられます」と巽医師は話す。「長年喫煙を続けていて、階段を上り下りするなど少し体を動かすだけで息苦しい、咳や痰がよく出る、という症状がある方は、COPDになる、あるいはなっているかもしれません」
COPDは従来肺気腫、慢性気管支炎と呼ばれていた疾患を統合した呼び名で、その両方の特徴を持つ疾患である。タバコの煙など有害物質を長年吸入することで、気管支が炎症を起こし「その結果、気管支が細くなったり、その先にある肺胞が破壊されたりすると、息がスムースにできなくなり、酸素の取り込みがうまくいかなくなって、息切れを起こします。気管支の炎症が慢性的になると、咳や痰がでてきます」と巽医師。
診断は呼吸機能検査、胸部CTなどで行われる。「呼吸機能検査ではどの程度息が吐きづらいのかがわかり、COPDかどうかの診断ができます。胸部CT 検査ではどのくらい肺が壊れているのかがわかります」
COPDと診断され、動くときに息苦しいという症状に対しては、薬物療法を行う。「そのベースにあるのは、呼吸リハビリテーションと全身併存症の管理です。薬物療法の効果は比較的すぐ得られますが、呼吸リハビリテーションは生涯に渡り重要になります。日常生活を心身ともに良好な状態に改善することにより、病気による障害を軽減させることができます」と巽医師は説明する。呼吸リハビリテーションは具体的には、運動療法や栄養管理などの患者教育であるが、もっとも重要なのは禁煙であることは言うまでもない。「こういった自己管理もひとりで頑張るのではなく、家族に協力してもらったり、主治医に相談することも大切です。たとえば、運動療法として勧められているウォーキングも、家族を連れて出かけるといいかもしれません」COPDになると、普通の人より10倍肺がんになることがわかっている。「肺がんについては早期発見が大切で、新鋭機器のマルチスライスCTの導入によって、それを実現しています。肺がんと診断されたら、その患者さんにあった抗がん剤を使うことによって、昔に比べ、格段の効果をあげることができます。COPDの患者さんには肺がんの検診を勧めています」と巽医師は話している。

医師プロフィール

1979年3月 千葉大学医学部 卒業
1979年4月 千葉大学医学部呼吸器内科入局
1989年4月 米国コロラド大学ヘルスサイエンスセンター心肺血管研究室留学
2008年11月 千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学教授