宇佐美真一 医師 (うさみしんいち)

信州大学医学部附属病院

長野県松本市旭3-1-1

  • 耳鼻咽喉科
  • 科長・教授

耳鼻咽喉科

専門

難聴の遺伝子解析診断、人工内耳、中耳手術、 宇宙医学(内耳の神経伝達機構)

宇佐美真一

難聴の診断および治療が専門。原因不明である突発性難聴や特発性難聴に対しては、遺伝子診断、MRIによる内耳画像診断、新しい治療薬、人工聴覚器による治療などを組み合わせ治療成績の向上に努めている。先天性難聴の遺伝子診断については我国の中心的な役割を果たしており、鼓室形成術、人工内耳、人工中耳手術など耳科領域の手術にも積極的に取り組み良好な成績をあげている。我国で最初に残存聴力活用型人工内耳による治療を成功させるなど先進医療の実績には評価が高い。

診療内容

同院の耳鼻咽喉科は専門外来が充実していることで知られる。めまい外来、腫瘍外来、中耳外来、難聴外来、補聴器外来のほか、難聴遺伝子診療外来では難聴の遺伝子診断および遺伝カウンセリングを行っており、その中心として活躍するのが宇佐美医師である。
突発性難聴の治療はステロイドを中心とした治療を行うということで、我が国ではほぼ標準化されており、全国で基本的にはどの施設でも同じような治療を受けることが出来る。宇佐美医師は、同院での診断、治療における特徴として以下のものがあると言う。
1)遺伝的背景の検索…突発性難聴のうちあるサブタイプでは遺伝子変異が関与していることが分かっている。同院は以前より難聴の遺伝子診断で全国をリードしており遺伝子検索を組み合わせた診断を行うことが出来る。現在、難治性疾患等克服事業 高度急性難聴研究班で種々の研究が行われてが、信州大学は突発性難聴のDNAバンクを担当し、多くの情報が集積されている。
2)MRIを用いた内耳病態の把握…突発性難聴のうち一部のサブタイプでは内リンパ水腫が関与していることが明らかになっている。臨床でルーチンでMRIによる内リンパ水腫診断を行っており、信州大学を特徴付ける診断技術になっている。

「治療」に関しては、1)薬物療法…まず全身的なステロイド治療が中心になるが、改善しない場合、ステロイドの鼓室内投与による治療、あるいは新しい治療薬の治験にも参加しており積極的に新しい治療薬/治療法を試みている。2)補聴器、人工聴覚器…薬物治療で改善せず難聴が固定してしまった場合、クロス補聴器によるQOLの改善を試みている。また一側性難聴患者に対する埋め込み型骨導補聴器、人工内耳などの臨床研究にも積極的に取り組んでいる。我国で最初に残存聴力活用型人工内耳による治療を成功させるなど先進医療の実績には評価が高い。
宇佐美医師のもう一つの専門領域は「宇宙医学」である。無重力の環境に置かれた宇宙飛行士が「宇宙酔い」と呼ばれるめまい、吐き気などの症状を起こすことはよく指摘されてきたが、宇佐美医師はこの症状のメカニズムを解明することでめまい治療に貢献できるのではないかと考え、研究を進めている。
この宇佐美医師らのグループのテーマはNASAの研究テーマに採択され、2009年、2010年、2011年とスペースシャトル実験を行った。より良い治療を求めて遺伝子から宇宙まで、宇佐美医師のレパートリーは広い。研究成果を生かしたより高度な診療・治療を待つばかりだ。

医師プロフィール

1981年 弘前大学医学部 卒業
1985年 弘前大学医学部大学院修了、弘前大学医学部耳鼻咽喉科講師、助教授を経て
1999年より信州大学医学部教授