小川郁 医師 (おがわかおる)

慶應義塾大学病院

東京都新宿区信濃町35

  • 耳鼻咽喉科
  • 診療部長、教授

耳鼻咽喉科 頭頸部外科

専門

耳科学、聴覚医学、頭蓋底外科

小川郁

耳科学、聴覚医学、頭蓋底外科などが専門。中耳炎に対する鼓室形成術をはじめとする聴力改善手術の他にも補聴器外来を担当し、難聴のためにコミュニケーション障害がある患者に適切な聴覚管理や補聴器装用指導を実施している。現在、厚生労働省急性高度難聴調査研究班班長。同科では耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患全般において最新の医療を提供できるよう、各専門分野のエキスパートをそろえ、疾患に応じて他科の医師や言語聴覚士、臨床心理士と緊密に連携したチーム医療を行っている。

診療内容

同科では、伝音難聴のうち、慢性化膿性中耳炎や真珠腫性中耳炎、耳硬化症に対しては1週間の短期入院で聴力改善手術を積極的に施行しており、剃毛をしない工夫で早期の社会復帰を可能にしている。特に耳硬化症などの伝音難聴に対するアブミ骨手術は、独自に開発した人工耳小骨を用いた手術を行い、日本でもトップクラスの手術件数を誇る。人工内耳埋め込み手術は、成人例を中心に行い、各種人工内耳を選択できるよう設備を整えている。言語聴覚士と臨床心理士を加えたチームによるきめ細かい術後のリハビリが特徴となっている。突発性難聴、急性低音障害型感音難聴を初めとする急性高度難聴に対しては、難聴の程度に応じて、外来または入院にてステロイドおよびプロスタグランディン製剤による保存的療法を行う。同科では、最近突発性難聴に対する鼓室内薬物局所投与療法も開始した。外リンパ瘻には内視鏡検査を含めた総合的診断を行い、手術的治療も積極的に実施している。慢性感音難聴で、ステロイド依存性感音難聴など長期のステロイド投与が必要な症例に対しては、漢方薬を併用することでステロイド薬の減量を実現。また慢性感音難聴のうち遺伝性素因の関与が疑われる場合は、遺伝子検索および遺伝相談を含めた対応を行っている。小児難聴および言語障害も、専門医と言語聴覚士による専門外来にて対応しており、口唇口蓋裂児の難聴・言語障害は形成外科、小児科および歯科口腔外科とのチームにより優れた成績をあげている。
同科では、耳鳴に対しても積極的に取り組む。特に慢性耳鳴に対しては原因疾患に対する治療の他にも臨床心理士による心理治療や自律訓練法を行い、症例に応じてTRT(tinnitus retraining therapy)などの新しい治療法を実施している。

医師プロフィール

1981年 慶應義塾大学医学部 卒業
1983年 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科助手
1991年 ミシガン大学 クレスギ聴覚研究所研究員
1995年 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科専任講師
2002年 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科教授