萌出時期の異常 家庭の医学

■早期萌出
 歯のできる時期と生える時期にはおおよそのめやすがありますが、これよりも異常に早く生えた場合をいいます。

 通常特に障害はありませんが、生まれつき、あるいは生後1~2カ月で下あごの前歯が生えると、舌の裏側に潰瘍をつくったり(リガ・フェーデ病)、母親の乳首を傷つけたりします。歯の先端を削って丸めるか、抜歯をします。

■晩期萌出
 歯の生える時期が異常におそいものをいいます。ただし、はじめから歯がない場合(無歯症)や、骨の中に埋もれたまま(埋伏歯〈まいふくし〉)のこともあります。少数の歯にこのような異常が起こる場合は、局所的な障害であることがほとんどです。しかし、多数の歯に起こる場合はホルモンやビタミンなどの栄養障害、遺伝性、全身性の病気の一つの症状であることがあります。

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
(執筆・監修:自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第2講座 教授〈歯科口腔外科学〉 森 良之)
(執筆・監修:田賀歯科医院 院長/JR東京総合病院 歯科口腔外科 田賀 仁)
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