特発性骨壊死〔とくはつせいこつえし〕
大腿骨顆(か)部や脛骨(けいこつ)顆部、まれに膝蓋骨(しつがいこつ)に骨壊死が生じることがあり、安静時や歩行時の痛みを伴います。骨壊死という病名ですが、本当の意味においては骨の壊死ではなく、脆弱性骨折(年齢などが原因で骨が弱くなり、骨折を起こす)が病態と関連すると考えられています。大腿骨内顆の骨壊死においては内側半月後根断裂に続発して発症することが報告されています。
特徴的なことは、X線検査で骨壊死像がはっきりしていない発症初期に、安静時痛や夜間痛が強いことです。したがって、痛みの強い初期には診断がつかず、半年ほど経過してから診断がつくこともあります。MRI(磁気共鳴画像法)検査では早期から診断が可能です。その後、激痛は消失しますが、時間の経過とともに変形性膝関節症へと進展し、それによる症状が出現します。
[治療]
手術的に人工関節置換術(全置換または片側置換)がおこなわれますが、変形性膝関節症まで進展していない初期のもので、50~60歳以下の人であれば、関節機能温存のために骨軟骨移植術、あるいは骨切り術と骨軟骨移植の合併手術が選択される場合もあります。骨壊死の部位や範囲によっては症状が軽く、消炎鎮痛薬内服による保存的療法で経過をみることもあります。
特徴的なことは、X線検査で骨壊死像がはっきりしていない発症初期に、安静時痛や夜間痛が強いことです。したがって、痛みの強い初期には診断がつかず、半年ほど経過してから診断がつくこともあります。MRI(磁気共鳴画像法)検査では早期から診断が可能です。その後、激痛は消失しますが、時間の経過とともに変形性膝関節症へと進展し、それによる症状が出現します。
[治療]
手術的に人工関節置換術(全置換または片側置換)がおこなわれますが、変形性膝関節症まで進展していない初期のもので、50~60歳以下の人であれば、関節機能温存のために骨軟骨移植術、あるいは骨切り術と骨軟骨移植の合併手術が選択される場合もあります。骨壊死の部位や範囲によっては症状が軽く、消炎鎮痛薬内服による保存的療法で経過をみることもあります。
(執筆・監修:東京逓信病院整形外科 部長 平岡 久忠)