紅皮症〔こうひしょう〕 家庭の医学

 全身の皮膚が一様に赤くなる状態を紅皮(こうひ)症といい、落屑(らくせつ)を伴います。通常かゆみがあって、しばしば脱毛、爪の変化、リンパ節腫脹を伴っています。
 これは一つの独立した皮膚病ではなくて、いろいろな皮膚病にみられる一つの皮膚の状態です。剥脱(はくだつ)性皮膚炎とも呼ばれています。
 紅皮症は、①湿疹(しっしん)、皮膚炎に続発する湿疹性紅皮症、②乾癬(かんせん)に伴う乾癬性紅皮症、③薬疹や菌毒素中毒に伴う中毒性紅皮症、④悪性腫瘍(たとえばリンパ腫、細網症、各種白血病)に伴う腫瘍性紅皮症に区別されています。
 腫瘍性紅皮症は悪性腫瘍の初発症状としてみとめられ、それから悪性腫瘍の診断のきっかけとなることがあるので、注意が必要です。
 ほかに、毛孔(もうこう)性紅色粃糠疹(ひこうしん)、先天性魚鱗癬(ぎょりんせん)様紅皮症など角化症に伴う紅皮症もあります。

[治療]
 以上のように、いろいろなものがありますので、その成因に応じた治療が必要です。たとえば、湿疹性のときは副腎皮質ステロイド軟膏(なんこう)を外用、腫瘍性の場合は専門医のもとで抗腫瘍薬などの治療が必要です。

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