肝斑(しみ)〔かんぱん〕 家庭の医学

 俗に“しみ”といわれて、顔面、特に目のまわりを取り囲むように、ほおからひたいにかけてみられる境界鮮明な暗褐色の色素斑です。中年女性に多い皮膚病です。肝斑という名から肝機能がわるいために起こると考えている人がいますが、それは誤りです。これは肝臓の色と同じところから出たものといわれています。
 一般にかゆみや痛みを伴うことがなく、この色は表皮の基底層にメラニンが沈着したためです。


[原因]
 直接原因としては、日光光線照射があげられています。事実、海水浴、あるいはスキーのあとにしみがよくできてきます。
 女性ホルモンが関係していることが想像できますが、ピルの内服によっても起こります。また妊娠したときのしみは、分娩(ぶんべん)すると数カ月のうちに自然に消えていきます。しかし、妊娠のたびにできることもよくあります。

[治療]
 直射日光を避け、色素産生を抑えるビタミンC、ビタミンE、パントテン酸、グルタチオンのようなSH基化合物の長期内服をします。
 化粧などでカバー、遮蔽(しゃへい)するのも一つの方法です。
 レーザー照射治療はよくなることもありますが、再発することも多く、その効果は必ずしも一定しません。

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