第3期(後産期) 家庭の医学

 赤ちゃんが誕生してから胎盤が娩出(べんしゅつ)されるまでのことをいい、ふつう10~30分くらいかかります。胎盤は自然にはがれて娩出しますが、このとき多少の出血があります。胎盤が出たあと子宮は収縮しますが、これがうまくいかないと、弛緩(しかん)出血といって大出血を起こすおそれがあります。子宮の収縮をうながす注射をすることがあります。胎盤が娩出したら、頸管や腟(ちつ)、会陰(えいん)などの産道にできた傷をチェックして、裂傷があれば、縫合します。その後は2時間ほど分娩(ぶんべん)室で、血圧、収縮の状態や出血のチェックをおこないます。
 このように第1期が始まって、第3期が終わるまでには個人差がありますが、初産婦では13~16時間、経産婦ではその約半分の5~8時間かかります。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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