第1期(開口期) 家庭の医学

 陣痛が始まって子宮口が開きだしてから全開大(10cm)となるまでの時期をいいます。初産婦で約8~12時間、経産婦では4~8時間くらいかかります。

 第1期のはじめは陣痛の間隔が不規則で、6~10分もあり、陣痛は10秒くらいしか続きませんが、しだいに間隔が短くなるとともに陣痛の持続時間も長くなり、最後には2~3分おきに1分~1分30秒くらい続くようになります。3つの時期のうち、第1期がもっとも時間がかかります。上手に呼吸法や腰のマッサージなど補助動作の動作をおこない、リラックスして子宮口が開大していくのをまちます。
 陣痛がつらくても、勝手にいきんではいけません。この段階ではいきむとかえって子宮口の開大をさまたげたり、子宮頸管(けいかん)裂傷をひき起こしたりします。1回1回の陣痛で赤ちゃんに会える時刻が近づいてくると期待して、医師や助産師の指示に従うようにしてください。
 第1期の途中や全開大のころに、破水することがあります。急に生あたたかい水が流れ出すので、多くの場合は自分でもわかります。破水したかなと思ったら、医師や助産師にすみやかに知らせましょう。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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