サプリメント(機能性表示食品)

 補完・代替医療のなかで中心をなすものはサプリメント(機能性表示食品)ですので、これについて記してみましょう。これまで「健康食品」と呼ばれてきたものが、2015年4月から、新しく「機能性表示食品」の制度によって図のように変わりました。

 特定保健用食品とは、からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で通常、「トクホ」と呼ばれています。ヒトによる食品の危険率を検証する比較試験での結果等によって科学的に健康の維持・増進に役立つことが証明され、その機能表示が許可されている食品です。消費者委員会や事務局の厳格な審査を通過できなければ、消費者庁長官による特定保健用食品としての販売許可が得られません。
 栄養機能食品とは、1日あたりに必要とされる栄養成分のうち、特定の栄養成分の補給のために利用される食品です。国が指定する表示の対象となる特定の栄養成分は脂肪酸1種類、ミネラル6種類、ビタミン13種類(2020年4月現在)で、科学的根拠が医学的・栄養学的に広く認められ確立されたものです。規格基準さえ満たしていれば、特に届出などをしなくとも、国が義務づける機能表示方法にて販売が可能です。

●規格基準が定められている栄養成分
脂肪酸n‐3系脂肪酸
ミネラル類亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム
ビタミン類ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸
*錠剤、カプセル剤等の形状の加工食品にあっては、カリウムを除く。


 機能性表示食品とは、ヒトによる比較試験をおこなう必要はありませんが、すでに発表されている論文等を科学的根拠として明示することで、事業者の責任において機能性を表示した食品です。販売前に、機能性に関する情報となる根拠を消費者庁長官に届けるものの、トクホのような商品に対する個別の許可は必要ありません。
 最近、ある種の一般食品で重い肝臓障害が起こったことが報道されました。また、やせ薬と称する輸入された一般食品で死亡例があったことも過去に報道されました。一般的にいって、「ある種の機能をもつ」ということは「副作用が起こる可能性がある」ということでもあります。
 機能性表示食品によってひどい肝機能障害や皮疹を起こした患者さんに出会うことがありますが、あくまで機能性表示食品は「自己責任」で摂取することになります。どうか、賢い消費者になっていただきたいと思います。
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