喀たん検査

 喀(かく)たんから得られる情報は、炎症の性質、病原体の検出、がん細胞の特定などです。色のついたたんの場合には、細菌感染を疑います。たんの中に好中球があれば感染症が考えられ、好酸球であればぜんそくなどのアレルギーに関係した病気を疑います。
 結核肺炎では特に重要な検査です。喀たんを染色したり培養したりすることにより、細菌などの病原体を確認することが可能となります。がん細胞の検査は、顕微鏡で細胞の形状を観察し、その異常の程度によりクラスをⅠ~Ⅴ階に分類します。クラスⅣやⅤであれば悪性細胞と判定されます。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 准教授〔呼吸器内科学〕 児玉 裕三)