MRI検査

 胸部MRIは、任意の断層像を得ることが可能であり、病変の進展範囲を明瞭に把握することができ、組織分解能が優れるため、胸部CTに付加する情報を得ることができます。また、胸部CTで鑑別がむずかしい境界明瞭な孤立性良性肺結節・腫瘤(しゅりゅう)において、造影 MRI は肺がんとの鑑別に有用である場合があります。特に頻度の高い結核腫、過誤腫(細胞や組織が過剰に増殖した状態で、良性腫瘍)では、辺縁優位に高信号で増強されることが多く、内部増強効果にとぼしいことで、肺がんとの鑑別が可能となります。
 造影MRI は、造影CTよりも組織分解能に優れており、胸壁・縦隔浸潤の診断に有用です。胸膜、胸壁由来の病変、特に、悪性胸膜中皮腫の胸壁や横隔膜への進展範囲の診断では、CTよりもMRIが優れています。また、縦隔腫瘍の鑑別診断を進めるうえで、囊胞(のうほう)性か充実性の区別、脂肪や石灰化の検出が重要です。石灰化の検出にはCT が優れますが、囊胞成分と充実成分との区別、脂肪成分の検出では造影MRIが優れています。縦隔腫瘍の組織性状の判別から、確定診断への有用な情報を得ることが可能となります。