血液検査 家庭の医学

 通常、腕の静脈から採血をして調べます。白血球数(4000~9000/μLが正常)やCRPの数値が上昇している場合には、体内に炎症があることを示唆しています。白血球の中の好中球が増加をしているときは細菌や真菌などによる感染を、好酸球が増加をしているときにはアレルギーの病気を疑います。
 肺がんでは、腫瘍マーカーといわれるがんの種類に特有の物質が上昇します。腺がんではCEA、小細胞がんではProGRPやNSE、扁平上皮がんではCYFRA(シフラ)、SCCが代表的ですが、がんの種類を特定する精度に関してはProGRPやNSEが高いとされています。間質性肺炎では、KL-6、SP-A、SP-Dが病勢のマーカーとして用いられます。細菌による感染症ではプロカルシトニンの数値が上がります。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 准教授〔呼吸器内科学〕 児玉 裕三)