成人(発症)スチル病〔せいじん(はっしょう)すちるびょう〕

 若年性関節リウマチの病型のなかに全身型スチル病がありますが、成人でもこれに類似した病気がみられ、成人スチル病と呼ばれます。男女比は1対2、発症年齢は20~50歳が多くみられます。発症時は咽頭炎とともに発熱、関節痛(炎)、サーモンピンク様の発疹(ほっしん)がみられます。リンパ節がはれる、肝臓や脾(ひ)臓がはれる、胸や心臓に水がたまるなどの症状もみられます。
 検査では赤沈亢進(こうしん)、CRP(C-reactive protein)強陽性、白血球増加とともにフェリチンのいちじるしい増加が特徴的です。肝障害もみられます。リウマトイド因子や抗核抗体は陰性例が多いです。
 治療は、重症の場合にはパルス療法を含むグルココルチコイドの多量投与がおこなわれます。最近、重症例には抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ)が使用されるようになりました。関節炎には関節リウマチと同じようにメトトレキサートや抗リウマチ薬による治療をおこないます。

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