混合性結合組織病〔こんごうせいけつごうそしきびょう〕 家庭の医学

 混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は、前述した全身性エリテマトーデス全身性強皮症多発性筋炎・皮膚筋炎の3疾患のなかで、2つ以上の病気を思わせる所見が混在し、そして、抗核抗体のなかの抗U1-RNP(ribonucleoprotein)抗体が高い値で陽性を示します。症状はさまざまみとめますが、それぞれが比較的軽症なのが特徴です。また、比較的小量のグルココルチコイドで病気がよくなるのも特徴です。しかしながら膠原病のなかで、もっとも肺高血圧症を伴いやすいことも特徴です。

 MCTDは30代の女性に多く発病しますが(男女比は1対19)、子どもや高齢者にもみられます。国が指定する難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)の一つです。

[診断]
 有効な手掛かりを与えてくれるのは、手指のソーセージ様のはれを伴ったレイノー現象と、血液の検査で抗U1-RNP抗体が高い値を示すことです。内臓の病変は少ないのですが、肺高血圧症がみられやすく予後に影響します。

[治療]
 主たる症状がみられる疾患に準じて治療されます。レイノー現象は、ほとんどの場合にみられますので血管をひろげ循環をよくする薬が用いられます。腎炎などの内臓の病変があるとグルココルチコイドが用いられますが、その量は重症度によって異なります。肺高血圧症はきわめて治りにくい症状ですが最近はさまざまな特効薬(全身性強皮症参照)が開発され、以前より予後がよくなってきました。

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