少子化対策の強化を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案は17日の参院本会議で、趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。児童手当の拡充や、公的医療保険に上乗せして徴収する支援金制度の創設が柱。岸田文雄首相は答弁で「制度や施策の充実と合わせ、社会全体で子どもや子育て世帯を応援する機運を高める」と強調した。
 支援金を巡り、政府はこれまで歳出改革により実質負担は生じないと説明してきた。立憲民主党の石垣のりこ氏は「新たな負担増を生じさせないと言い切れるのか」と追及。これに対し、首相は「社会保障負担率は上がらないことを国民に約束したい」と述べ、これまでと同様の答弁を繰り返した。
 政府は子育て支援を充実させるため、2028年度までに年3兆6000億円の財源を確保する。このうち1兆円を支援金で賄う方針で、26年度から段階的に徴収する。
 こども家庭庁の試算によると、会社員らが入る被用者保険では1人当たりの平均負担月額(28年度)は被保険者本人が800円。負担額は年収によって異なり、大企業や中小企業で働く被保険者の場合、年収600万円で1人当たり1000円となる。 (C)時事通信社