公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5日、2023年度の運用収益額が45兆4153億円と、過去最大となったと発表した。国内外の株高と円安の影響で、これまで最大だった20年度の収益額(37兆7986億円)を上回った。黒字は4年連続。
 23年度末時点の運用資産額は245兆9815億円に達した。資産運用を始めた01年度からの累積収益額は153兆7976億円となった。
 保有資産別の運用損益は、国内株式が19兆3928億円の黒字。日経平均株価が史上最高値を付けるなど歴史的な株高が影響した。外国株式も米IT関連銘柄の上昇を背景に19兆2952億円の黒字だった。
 一方、国内債券は1兆1421億円の赤字となった。日銀が3月にマイナス金利を解除したことで利回りが上昇。保有する債券価格は下落した。
 円安の進行も収益の押し上げに寄与した。GPIFによると、外貨建て資産の円換算額が膨らむなどし、23年度の収益率22.67%のうち7%程度は円安の効果とみている。 (C)時事通信社