こども家庭庁は、親の就労の有無に関係なく保育所を一定時間利用できる「こども誰でも通園制度」について、2025年度以降の本格実施に向けた検討を開始した。有識者会議で利用時間の上限や利用料金、受け入れ施設に対する補助単価などが焦点となる。12月をめどに中間取りまとめを行い、方向性を示す。
 制度は、生後6カ月~2歳の未就園児が対象。未就園児を育てる親の孤立を防いだり、他の園児らとの触れ合いを通じて子どもの成長を促したりする狙いがある。既に一部地域で試行が始まっており、25年度に制度化して実施自治体数を拡充させ、26年度からは全国に広げる。
 試行では、利用時間の上限を月10時間としているが、一部自治体からは足りないとの指摘が出ている。保育士の負担が増えることも考慮しながら、制度化する際の新たな上限を検討する。
 施設への補助単価は、試行で子ども1人当たり1時間850円、事業者が保護者から徴収する利用料金は300円と設定。安定して運営するのに妥当な金額かどうか改めて検証し、キャンセル料の徴収も議論する。
 年齢に応じた子どもとの関わり方の留意点をはじめ、通園制度を実施する事業者にとって参考となる内容を盛り込んだ手引の作成も進める。また、たんの吸引や人工呼吸器の管理などの支援が必要な「医療的ケア児」の受け入れについては、子の外出が難しい場合、居宅訪問型を実施するか詰める。 (C)時事通信社