【シドニー時事】ニュージーランド(NZ)の公私立の福祉施設で2019年までの70年間に、未成年者や障害者ら計約20万人が虐待を受けていたことが、24日に公表された独立調査委員会の報告書で明らかになった。先に日本でも問題となった強制不妊手術が行われていたことも確認された。NZ政府は過ちを認め、被害者に補償する方針だ。
 調査委は労働党政権下の18年に設置され、生存する被害者約2400人から聞き取りを実施した。その結果、国やキリスト教系団体などが運営する福祉施設で保護された少年少女、障害者、先住民族マオリの人々らに対し、1950年以降に性的・身体的・精神的虐待のほか、同意のない不妊手術や人工妊娠中絶が継続的に行われていたことが判明。報告書は「国家的な恥辱」と断じた。 (C)時事通信社