【ニューデリー時事】インド東部コルカタの公立医大病院で今月、女性研修医(31)が性的暴行を受け殺害された。事件に抗議する集会が各地で開かれ、医師会も医療従事者の安全確保を求めて全土でストライキを実施。影響が拡大している。
地元報道によると、研修医は9日、セミナー室で倒れているのが見つかり、後に死亡が確認された。長時間勤務を終え、休んでいたところを襲われたとみられる。事件に関与した疑いで病院に出入りしていた30代の男が逮捕された。
会員約35万人のインド最大の医師会は17日朝から24時間ストを決行。各地の病院で救急外来など必要性が高いサービスを除く診療が停止された。医師会は声明で、女性医師は職業柄、暴力を受けやすいと指摘。「病院やキャンパスで医師の安全を確保するのは当局の役目だ」と訴えた。
モディ首相は15日の独立記念日の演説で「母や姉妹、娘たちに対する残虐行為を真剣に考えるべきだ」「女性への犯罪は遅延なく捜査されなければならない」と語気を強めた。
インドではレイプ犯罪が後を絶たない。伝統的に女性が低い立場に置かれてきたことも要因との見方がある。2012年に首都ニューデリーのバス車内で女子学生が集団暴行を受け殺害された事件をきっかけにレイプ犯罪が厳罰化され、死刑適用も可能になった。 (C)時事通信社
女性研修医殺害に抗議拡大=各地で集会、医師会ストも―印
(2024/08/19 13:27)