サプリメントなどの機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)に関し、9月1日から、事業者が健康被害情報を把握した場合の消費者庁などへの報告が義務化される。小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」配合サプリを巡る問題を受け、行政が迅速に情報を把握し、被害拡大を防ぐのが目的。
 消費者庁によると、これまでもガイドラインなどで健康被害の報告を求めていたが、期限などは明確になっていなかった。そこで食品表示基準などを改正。今後は、医師が診断した健康被害と疑われる情報を事業者が把握した場合、食品との因果関係が不明の場合でも、速やかに消費者庁や保健所に報告することを義務化する。おおむね30日以内に同じ症例が複数発生した場合は15日以内、死亡や入院など重い症例は1例でも15日以内に報告するよう期限を明確にした。
 機能性表示食品は、事業者が安全性や科学的根拠を国に届け出ることで表示して販売できる。国の審査が必要なトクホとは異なるため、制度の信頼性向上に向け、事業者に届け出後の定期的な自己点検を義務化。1年ごとに自己評価した上で公表することが求められ、初回の報告は2025年度中となる。
 違反した場合は、機能性表示を行わないよう事業者に指示、命令できる。健康被害の報告を怠った場合は、営業の禁止や停止の行政措置が可能となる。 (C)時事通信社