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顧みられない熱帯病などの製品開発に約5.7億円の投資を決定

GHIT Fund
GHITとして初めてトラコーマに対する診断薬開発を支援





公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)およびマラリアに対する診断薬などの製品開発4件に、合計約5.7億円の投資を決定したことを発表いたします*1。

GHIT初のトラコーマに対する診断薬の開発に約2.8億円の投資
トラコーマは、クラミジア・トラコマチスという細菌による結膜(上瞼)の感染が原因となり、主に衛生状態の悪い地域で流行する顧みなれない熱帯病の一つです。進行すると、最終的には失明に至ります。現在、39か国で公衆衛生上の問題となっており、約1億300万人が感染リスクにさらされています。感染は、手や衣服、寝具などを介した接触や、感染者の目や鼻からの分泌物に触れたハエによって広がります*2。WHO(世界保健機関)は、2030年までに公衆衛生問題としてトラコーマを撲滅することを目標としており、迅速かつ正確な診断が必要とされています。

このような状況を改善するため、GHIT Fundは、米国の非営利機関Drugs & Diagnostics for Tropical Diseases (DDTD) が主導し、日本の株式会社医学生物学研究所、米国のカーター・センターとBig Eye Diagnosticsがアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の積極的なサポートを得て共同で取り組むトラコーマに対する迅速診断検査(RDT)キットの開発プロジェクトに約2.8億円の投資を決定しました。トラコーマに対する製品開発支援はGHIT Fundとして初めてです。本プロジェクトにより、失明や視覚障害のリスクにさらされる1億人以上の人々に対して、早期発見と適切な治療を可能にし、トラコーマ撲滅に向けたグローバルな目標に大きく近づくことが期待されています。

また、マラリアとシャーガス病に対する製品開発プロジェクト3件にも投資を決定しました。
(1) 長崎大学、東京大学、塩野義製薬株式会社およびMedicines for Malaria Venture (MMV)による抗マラリア薬開発プロジェクトに約1.5億円、(2) 長崎大学、米国テュレーン大学、スペインの研究機関Barcelona Institute for Global Health (ISGlobal) によるシャーガス病に対する迅速診断キットの開発プロジェクトに約7,000万円、(3) 東京大学、MMV、オックスフォード大学、ダンディー大学によるマラリアの治療薬開発プロジェクトに約7,000万円の投資を行います。

各プロジェクトの概要や開発段階など、詳しくは以下のリンクより別紙1をご覧ください。
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2024年9月30日時点で、33件のプロジェクトに投資しており、内訳として、11件の標的・探索研究、14件の非臨床試験、8件の臨床試験*3となります。GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約338億円となります(別紙2)。

注記
*1 これらの案件は、2023年11月~2024年7月にかけて実施した公募RFP2023-002、RFP2024-001(標的研究プログラム、ヒット・トゥ・リードプログラム、製品開発プログラム)の中から選定され、承認されたものです。
*2 WHO(世界保健機関)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/trachoma 参照
*3 薬事申請の段階にある案件を含みます。診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。


【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資を行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org/jpをご覧ください。





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