医療・医薬・福祉

「マイナビ 看護師・薬剤師・介護福祉士の職場のカスタマーハラスメントに関する実態調査」を発表

マイナビ
7割以上の薬剤師がカスハラ(ペイハラ※)を受けた経験がある。カスハラ(ペイハラ)により約6割の人が「メンタル不調・モチベーション低下」。カスハラ防止条例への期待、「罰則がないと効果はない」が半数以上




株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、看護師(准看護師を含む)・薬剤師・介護福祉士を対象に実施した、「マイナビ 看護師、薬剤師、介護福祉士の職場のカスタマーハラスメントに関する実態調査」の結果を発表しました。

※医療現場でのカスタマーハラスメント(カスハラ)は、主に患者(ペイシェント)やその家族から受けるため、ペイシェントハラスメント(ペイハラ)と呼ばれる。

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【TOPICS】
◆薬剤師の72.3%、看護師の54.1%、介護福祉士の49.4%がカスハラ(ペイハラ)を受けた経験があると回答【図1】
◆カスハラ(パワハラ)の実態は「威圧的な言動」「精神的な攻撃」が上位。職種別では薬剤師は「薬品の交換」「値引きの強要」、看護師、介護福祉士は「身体的な攻撃」が高い傾向に【図2】
◆約6割の人が、カスハラ(ペイハラ)により「メンタル不調・モチベーション低下」【図3】
◆カスハラ(ペイハラ)対策実施率は、いずれの職種も5割以下。看護師は4割に留まる【図4、5、6】
◆カスハラ防止条例への期待は「罰則がないと効果はない」が半数以上【図7】
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【調査概要】
◆薬剤師の72.3%、看護師の54.1%、介護福祉士の49.4%がカスハラ(ペイハラ)を受けた経験があると回答
看護師・薬剤師・介護福祉士に、カスハラ(ペイハラ)を自身が受けたもしくは見聞きした経験があるか聞いたところ、薬剤師は86.5%、看護師は68.6%、介護福祉士は63.6%がカスハラ(ペイハラ)を受けた・見聞きした経験があると回答し、薬剤師が最も高い結果となった。自身がカスハラ(ペイハラ)を受けた経験についても、薬剤師は72.3%と、看護師の54.1%、介護福祉士の49.4%と比較して高く、薬剤師が働く現場では他の職種と比べ、カスハラ(ペイハラ)が多く発生していることがわかった。【図1】
【図1】




◆カスハラ(パワハラ)の実態は「威圧的な言動」「精神的な攻撃」が上位。職種別では薬剤師は「薬品の交換」「値引きの強要」、看護師、介護福祉士は「身体的な攻撃」が高い傾向に
現在の職場でどのようなカスハラ(ペイハラ)を受けた、もしくは見聞きしたかを聞くと、「威圧的な言動(看護師56.6%、薬剤師62.5%、介護福祉士47.2%)」や「精神的な攻撃(看護師50.7%、薬剤師32.9%、介護福祉士45.9%)」の割合が高かった。職種別に特徴をみると、薬剤師は「責任がないにもかかわらず物品(薬品)の交換や金品の要求」が26.1%で他職種と比較し高い傾向があった。看護師・介護福祉士は「身体的な攻撃(看護師30.4%、介護福祉士27.8%)」が高く、業務上患者や利用者との物理的距離が近いことが影響しているのではないかと考えられる。【図2】
【図2】




◆約6割の人が、カスハラ(ペイハラ)により「メンタル不調・モチベーション低下」
現在の職場でのカスハラ(ペイハラ)について、いずれの職種も8割前後の人が体調や職場の状況などに影響があると回答した。具体的な影響について、現在の職場でどのような事象が起こっているか聞くと、「メンタル不調・モチベーション低下」が職種を問わず最も高く、6割程度であった。介護福祉士では「職場内の風紀の悪化」が27.3%で、看護師(11.9%)・薬剤師(7.6%)と比較し15pt以上高い結果となった。【図3】
【図3】




◆カスハラ(ペイハラ)対策実施率は、いずれの職種も5割以下。看護師は4割に留まる
職場でのカスハラ(ペイハラ)対策実施率については、いずれの職種も5割以下であり、特に看護師は40.8%と薬剤師・介護福祉士と比較し対策実施率が低い結果となった。【図4】
実施している対策の効果について聞いたところ、看護師・介護福祉士では「上司が相談を受ける体制(看護師69.1%、介護福祉士68.0%)」に効果を感じていることがわかった。一方で薬剤師は、「対応マニュアル」が70.5%で最も高く、次いで「対応するための研修」が67.8%であり、薬剤師は「カスハラ(ペイハラ)を自身で解決した」人が多いという結果もでており、そのため「マニュアル」や「研修」という対策に効果を感じていると考えられる。【図5、6】
【図4】




【図5】




【図6】




◆カスハラ防止条例への期待は「罰則がないと効果はない」が半数以上
全国の複数の自治体で、カスハラを防ぐための条例が成立し、2025年4月から施行される。条例によるカスハラ(ペイハラ)の抑止効果について聞いたところ、いずれの職種も「罰則がないと効果はない」が半数以上を占める結果となった。特に介護福祉士は「罰則があっても効果はない」が3割弱と、看護師・薬剤師と比較して高く、条例に対する期待感の薄さがうかがえる。【図7】
【図7】




【調査担当者コメント】


看護師や介護福祉士、薬剤師の多くが、患者や利用者からのハラスメントを受けた経験があるようです。これらの職業の方々は、相手を助けたい、サポートしたいという想いから、カスハラ(ペイハラ)にあたる言動を我慢してしまう方もいるかもしれません。しかしカスハラ(ペイハラ)は、精神面の不調や仕事に対するモチベーションの低下など、深刻な影響を与えています。
カスハラが社会的な問題になっていることから、複数の自治体でカスハラを防止するための条例の整備が進んでいます。ただ自治体の取組はこれから進む段階であるものも多くある状況です。そのような中で求められるのは、職場内での体制整備ではないでしょうか。しかしながら、今回の調査ではカスハラへの対応策が取られている職場は、5割以下であることが明らかになりました。患者・利用者に寄り添う職種の人々が安心して働けるように、各職場で実効性のある対応策が整備されることを望みます。
医療・福祉エージェント事業本部 事業本部長 神戸 信康





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【調査概要】「マイナビ 看護師・薬剤師・介護福祉士の職場のカスタマーハラスメントに関する実態調査」
○調査期間/2025年1月31日(金)~2025年2月5日(水)
○調査方法/マクロミルモニタへのインターネット調査
○調査対象/看護師・准看護師・薬剤師・介護福祉士(マクロミルモニタ 20~49歳の男女)
○調査機関/株式会社マクロミル
○有効回答数/看護師(准看護師を含む)・薬剤師・介護福祉士 各309名
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
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