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循環器疾患、予兆の自覚を
再発予防に運動療法-啓発イベントに渡辺徹さん

 日本人の死因で2番目に多い循環器病(脳卒中を含む)の予防を訴える「健康ハートの日(8月10日)」に先駆けた啓発イベントが東京都内で開かれた。イベントには心筋梗塞の手術を受けた俳優の渡辺徹さんが参加し、「胸の痛みはまったくなかったが、歩くのが遅くなった。疲れからだと思っていたが、これが(心筋梗塞の)予兆だった」と振り返った。手術後は、塩分の少ない食事のほか、「犬の散歩や歯磨きしながらのスクワット」など運動を継続している語り、疾患の早期自覚に向けた啓発、再発予防に向けた運動の必要性を強調した。

ゲスト参加した渡辺徹さん

 ◇119番まで2時間

 日本人の死因は、脳血管疾患、大動脈瘤(りゅう)および解離、心疾患を合わせた循環器病(脳卒中を含む)が33%を占め、がんの37%に次いで多い。医療費は年約6兆円で、がんの1.5倍。要支援・要介護になる要因の24%は脳卒中・心臓病の後遺障害となっている。

 こうした実態を背景に脳卒中・循環器病対策基本法が昨年12月に成立した。榊原記念病院の磯部光章院長は、急性心筋梗塞で胸部の痛みといった症状が出てから「119番」するまで約2時間もかかっている東京都の現状を紹介。同法に基づいて、(1)疾患への意識や認識を高めるための市民啓発(2)急性期診療を提供するため、拠点病院と支援病院の整備・連携などを通じた施設間ネットワーク構築-などを進めるとした。

 ◇運動は治療

 また、順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の代田浩之特任教授は、治療して回復した患者に対する再発防止に向けた取り組みの重要性を強調。具体的には、禁煙や栄養指導、薬物療法に運動を加えた包括的心臓リハビリテーションを提唱した。

トークセッション。左から磯部光章院長、代田浩之特任教授、渡辺徹さん

 1930年代はリハビリテーションとして8週間の安静が定着していたが、現在は急性期後の入院時からカウンセリングなどと合わせて運動を開始。退院後も在宅運動療法や自己管理支援などを通じて疾患再発を防ぐ包括的心臓リハビリテーションが実践されている。

 代田特任教授は「2週間の安静で運動の力が約30%落ちる。運動の力だけでなく、血圧、骨格筋、呼吸機能、骨粗しょう症など、さまざまな悪影響が出る」と指摘。その上で、「運動は治療につながっている」と強調した。(舟橋良治)

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