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がん治療、臨床で実績
学生一人ひとりに寄り添う―近畿大学医学部

 近畿大学は、元衆議院議員・経済企画庁長官の世耕弘一初代総長によって1949年、大阪専門学校と大阪理工科大学を母体として創設された。74年に医学部、翌年に付属病院が設立され、南大阪の地域医療に貢献してきた。がん診療をはじめとした臨床に重点を置き、臨床医学分野の英語論文で高い評価を受けている。松村到医学部長は「医師の仕事を単なる職業としてとらえるのではなく、人の命を守り、人の幸せを考えるために医師になりたいと考える学生を育てたい」と話す。

インタビューに応える松村到医学部長

 ◇「がんゲノム医療拠点病院」に

 近畿大学病院には、がん治療において日本のリーダーの役割を担う教授が多数在籍し、がん治療で全国有数の治療実績を誇る。肝がんラジオ波焼灼術の治療数は近畿で1位、全国6位(出典:週刊朝日MOOK「手術数でわかるいい病院2019」)。肝胆膵がん、頭頸部がん、胃がん、食道がん等の治療においても全国上位の実績を示している。

 また、2019年9月には、厚生労働省の「がんゲノム医療拠点病院」に指定された。「クリニカルシークエンスという遺伝子解析をもとにした、がんの個別医療を進めるための臨床研究に取り組んでいます」と松村医学部長。

 臨床医学分野の英語論文の引用度指数ランキング(朝日新聞出版大学ランキング2017)では旧帝大を上回り、全国1位。論文のインパクトを示す指標から、ノーベル賞に近い大学を評価したランキングで全国11位、私学では慶應義塾大学に次いで2位に位置づけられている。

 その一方で、大阪南エリアの救急医療の要としての役割も果たしている。13年には救急災害棟67床を新設、18年には熱傷センターを開設し、救急車全応需の方針のもと、中等症から最重症にいたる救急患者にシームレスに対応できる態勢をとっている。

医学部

 ◇地域枠は別枠入試で定員確保

 近畿大学医学部では、アドミッションポリシーとして、受験者に奉仕の精神、協調性、倫理観と責任感を求めている。これらのアドミッションポリシーに一致した学生を選考するために、すべての入試タイプで二次試験として小論文と面接を実施している。

 「なぜ医師になろうとしているのか、どのような医師になりたくて医学部を目指しているのか、地域医療をどのように捉えているのか、高齢化社会についてどう考えているか」など、社会的な課題も踏まえた上で、受験生の考えを聞いている。

 地域に貢献できる医師を育成するため、大阪府だけでなく、近隣の奈良県と和歌山県、さらに静岡県の地域枠も設けている。

 これまで地域枠に欠員が出ることもあったため、来年度からは別枠入試で定員を確保する考えだ。また、入学後に地域枠から逸脱する学生が多かったため、「それぞれの学生にメンターが付き、地域枠学生を対象としたセミナーやイベントへの参加を促し、地域医療に対する意識を入学後も維持できるようにしたい」と松村医学部長。

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