医学生のフィールド

ロールプレーで学んだ「チーム医療」
サマーキャンプ体験記―キャリアパスを考える会【サークル活動リポート・投稿編】

 国内外の医学生らでつくる「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は今年も、千葉県鴨川市の亀田総合病院で恒例の「サマーキャンプ」を開催する方向で準備を進めています。

 サマーキャンプでは毎年、多種多様な職種を目指す医療系学生が集まり、「チーム医療」について学んでいます。10回目となった昨年は8月6、7の両日に開催され、約40人が参加。施設見学や多職種の医療者と交流しながらのグループディスカッション、ワークショップを行いました。

 サマーキャンプ1日目、医療者を交えてディスカッション
 事務局を担当した東欧スロバキア・コメニウス大学医学部の妹尾優希さんが「今年もぜひさまざまな医療系学生の方に興味を持ってほしい」と、参加した弘前大学医学部医学科2年(当時)の於本拓也さんの体験記を寄せてくれました。以下に紹介します。

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 「サマーキャンプ@亀田2019」の2日間で、私が学んだことを書きたいと思います。

 病院に着いて最初に、亀田総合病院の千葉県南部の基幹病院としての役割や、チーム医療にはさまざまな様式があり、患者さんを輪の中に含めた形のものもあることについての講義を受けました。

 その後の病院内見学では、病院の至る所に施された、患者さんやそのご家族への細やかな気遣いに感銘を受けました。

 集中治療室(ICU)の隣には、いつでもご家族が患者さんの様子を見ることができるように、ご家族用の窓付きの小部屋が設けられていました。また、分娩(ぶんべん)室には、出産を前に緊張されている妊婦さんの不安を少しでも抑えられるように、見慣れない医療機器が、妊婦さんから見えない場所に配置されていました。

 その他にも、アートな内装や、患者さん自身がいつでも自分の電子カルテを自由に閲覧できるシステムなど、病院では患者さんの不安を取り除くため、患者さんの視点に立った工夫が施されていました。

 院内見学の後は、実際に亀田総合病院で勤務されている職員の方々と共に「チーム医療」に関するグループディスカッションが行われました。伺った話の中で印象に残っているのは、看護師の方が「異なる職種の医療者の役割を把握し、任せること」を意識して勤務していると話していたことでした。職種が異なる医療従事者の仲間、一人一人と医療現場以外でもつながりを持つことが、現場での円滑なコミュニケーションに役立つと知りました。

 次に行われた医療現場の一場面を再現するロールプレーで、ディスカッションで学んだ「現場で行われているチーム医療の基礎」を実践することができました。ロールプレーでは、少人数グループに分かれ、それぞれ異なる役(患者さん役、患者さんの家族役、主治医役、看護師役、社会福祉士役)を演じ、ある架空のがん患者さんの治療に関する選択を後押しするというシナリオを再現しました。

 私が割り当てられたのは社会福祉士役で、患者さんの意思と社会的な補助の仲介をする役割を担っていました。ロールプレーでは、ディスカッションで学んだように、他の医療者の人の役目を把握し、任せすることを心がけましたが、実際に行動するのは難しく、さまざまな情報に患者さんの意思が埋もれて見えづらくなってしまいました。

 ロールプレーを通じて、チーム医療を築く一人一人が、各自の持つ情報の価値を見極め、発言の機会を譲り合うことが大切であると学びました。

 亀田総合病院のスタッフの方々とサマーキャンプ参加者
 また、私自身の目指す「医師」という職業の役を客観視できたことも、大切な機会となりました。そのため、医師が積極的に他の医療従事者の方とコミュニケーションを取り、相手の専門性を知ることで、患者さん一人一人の詳しい様子や、最適な治療を提供するのに非常に役に立つのではないかと感じました。

 サマーキャンプで得た学びを今後の大学生活に生かし、他者の視点を深く理解し、他の医療者の方々と円滑に連携を取ることができる医師を目指して、精進してまいります。最後となりますが、すてきなサマーキャンプの開催にご協力いただいた亀田総合病院の先生方、職員の方々、そして学生事務局の方々に心よりお礼申し上げます。

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 医師のキャリアパスを考える医学生の会のフェイスブックのURLは以下の通り。 

  https://ja-jp.facebook.com/doctorscareer/?ref=page_internal     (了)

 


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