治療・予防

脳の血管が狭まる―もやもや病 
子どもの脳卒中の主因

 もやもや病は日本で発見された病気で、小児の脳卒中の原因として代表的なものだ。運動障害や意識障害などの後遺症が残ることがあり、18歳未満では医療費の公的な補助が受けられる小児慢性特定疾病に指定されている。京都大学医学部付属病院(京都市)脳神経外科の舟木健史医師に聞いた。

泣く、楽器を吹く、熱い食べ物を吹いて冷ますなどで一時的な発作症状が出現

 ▽障害や知能低下も

 もやもや病は、脳に血液を送る内頸(けい)動脈という太い血管が、脳に入る終末部辺りで細くなる病気だ。細くなった内頸動脈の周辺に通常では見られない細かな血管(もやもや血管)が形成されることから、もやもや病と呼ばれるようになった。

 発症のピークは小学校入学前後と40歳前後で、主に虚血型と出血型に分類される。小児ではほとんどが虚血型で、脳の血流不足により手足のしびれやまひ、脱力、言葉が出にくい、けいれんなどの症状が一時的に表れる。

 この一過性脳虚血発作と呼ばれる症状は、泣く、リコーダーや鍵盤ハーモニカを吹く、熱い食べ物を吹いて冷ます―などの過呼吸で引き起こされることが多い。成人の場合、虚血型は小児ほど多くなく、出血型と同程度である。出血型ではもやもや血管が破れることにより出血を引き起こす。

 「虚血型は悪化すると脳梗塞を引き起こし、まひや言葉の障害、知能の低下に至る場合があります」と舟木医師は説明する。

 ▽薬と手術で治療

 もやもや病は、磁気共鳴血管造影(MRA)や磁気共鳴画像装置(MRI)などにより脳血管の状態を調べて診断する。さらに、入院検査で脳血流の不足の程度や、血管の状態を精密に調べる。治療は、脳血流不足の程度が軽ければ、血液の流れを良くする、抗血小板薬の内服で一過性脳虚血発作を予防しながら経過を観察する。

 しかし、血流不足がひどい場合は手術が必要になる。手術では、不足する脳の血流を補うために、頭皮の血管などを使って狭くなった部分を迂回(うかい)する血管を新たに作る。

 手術後の経過は良好だが、小児では将来、出血型のもやもや病を発症する可能性が一般よりもわずかに高く、動脈硬化や高血圧に注意が必要だという。まれに、手術をしても成長に伴って言語や記憶、行動など、脳の知的な機能に偏りが起こる高次脳機能障害が出現する例もあるという。

 舟木医師は「早期に気付くことがとても大事です。治療が早ければ後遺症の心配も少なく、成人後も自立した社会生活を送ることができます」と、疑わしい症状がある人に対して早期の受診を促している。(メディカルトリビューン=時事)

新着トピックス