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オミクロン株、3回目接種急げ
~従来対策の効果減少~

 新たな変異株であるオミクロン株の広がりを背景に、新型コロナウイルスの患者が各地で増加。第6波が猛威を振るっている。専門家はオミクロン株の感染力の強さを踏まえ、「これまでのコロナウイルス対策が有効ではなくなる恐れがある」と警鐘を鳴らすとともに、できるだけ早期に3回目のワクチン接種を実施するよう求めている。

PCR検査センターの前に並ぶ人たち=1月25日、大阪市北区

 ◇従来株とは「別の病気」

 「予想以上に患者数の増加が速く、オミクロン株の感染力の強さを見せつけられた。感染力は水ぼうそう以上か、はしか並だ。特にこれまで感染しにくいと言われてきた小児の感染も増加している。2020年の夏に流行したデルタ株を含めた既存の新型コロナとは別の病気と考えるべきだ」

 インフルエンザなど感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授(小児科)は、こう指摘する。オミクロン株は既存の新型コロナウイルスより少量で感染を引き起こすため、これまで流行の歯止めになった不織布マスクの装用やソーシャルディスタンスの保持、手指衛生の徹底などをくぐり抜けた極少量のウイルスが体内に入って感染を引き起こす。

新型コロナウイルスワクチンの自衛隊大規模接種会場=1月31日、東京都千代田区

 ◇ワクチン接種繰り上げを

 「日本が他の国より感染対策で優位に立っていたのは、個人の地道な対策にあると思われる。その効果が薄れた場合、3回目の追加接種や小児への接種の遅れがこれまで以上に大きく、悪い方に影響する恐れが出てくる」と菅谷教授。このため「2回目の接種で得た免疫が消えないうちに、できれば5カ月以内、最低でも6カ月以内に追加接種を実施しないと、医療崩壊を招きかねない規模の患者が出る危険がある」と、ワクチン接種対策を繰り上げる必要性を強調している。

 背景には、英国で21年末に発表された約20万人のオミクロン株患者を対象にした調査結果がある。感染者が入院を必要とするほど重症化する危険性は、デルタ株の3分の1程度だったと報告されている一方、比較的発症予防効果が長く続くとされる米ファイザー製のワクチン接種者でも、「2回目の接種から20週、約5カ月で予防効果は10%以下に低下している」という。しかし、3回目の接種をすれば1週間程度で予防効果は回復する。「だからこそ、接種終了から半年は経過している人が多い日本では、早急な3回目の接種が必要だ」と菅谷教授は話す。

 ◇大事な小児への接種

 一方、ようやくワクチン接種が承認された小児について菅谷教授は「オミクロン株には『小児が感染しにくい』という、これまでの常識は通用しない。国内でも、特に学童期までの小児の感染・入院が増えているし、米国では1000人以上の小児の死亡が報告されている」と指摘した上で、「呼吸機能が未発達で症状を訴えにくい年齢もいることを考えれば、ある意味、成人以上の社会的配慮と医療資源が必要になる。副反応の問題も確かにあるが、ワクチンの小児への接種も重要な対策になるのではないか」と強調する。(了)

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