治療・予防

血糖値下げる運動療法のこつ=毎日の継続で良質な筋肉を

 ◇ストレッチングを

 筋肉の質を維持するためには、毎日最低6000歩は歩くことが必要とされる。筋肉の質が低下している場合には、ウオーキングなどの有酸素運動に、スクワットなど筋肉に抵抗をかける動作を繰り返すレジスタンス運動を組み合わせることが有効という。

 糖尿病患者は、運動不足や高血糖によって筋肉を覆う膜(筋膜)が硬くなる「糖化」が進み、筋肉と筋膜の癒着やねじれが起こって、動きにくい体になっていることもある。その場合は、筋膜の動きを改善することも必要だ。

 「そのためには筋膜リリースという方法が有効ですが、同様に効果が高いのがストレッチング。運動効果を高めるためにも、ストレッチングで糖化を改善し、筋肉の柔軟性を回復することが重要です」と天川氏。

 長年にわたって運動不足の糖尿病患者にとっては、「ストレッチングの効果が実感できることが大切。少しでも動かしやすい体になれば、身体活動量も増え、積極的に運動に取り組む意欲も高まります」。食後30分にストレッチングをすることは食後高血糖の予防にもなる。

 また、「有酸素運動はまとめて長時間行う必要はありません。細切れでも、しっかりと強度を上げて合計20分程度行えば効果は上がります。ストレッチングで動きやすい体を作り、生活の中で効果的に運動を続けてください」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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