治療・予防

認知症発症と「性格」の関係は?=変えにくい性格にどう対処するか

 ◇行動は変えられる

 日本人は欧米人に比べて神経症傾向が高いと言われるが、「日本人は世界的に見て長生きで、神経症傾向が高いことだけが認知症の発症原因となるわけではありません」と増井研究員。

 認知症になりやすい神経症傾向と、なりにくい誠実性や開放性は同じ人の中で共存できるもので、ストレスを受けても上手に発散したり、物の考え方を変えたりすることで、元の性格による影響を減らすことは可能だ。

 さらに、「近所付き合いや地域のサークル活動に参加するなど、社会にうまく溶け込んでいる人は神経症傾向の悪影響が出にくいことが分かっています。神経症傾向が強い人ほど趣味を楽しんだり、積極的に社会参加をしたりと、活動的な生活を維持していくことが大事です」と、増井研究員は説明する。

 「健康長寿への道は一つではありません。人は死ぬまで成長していくものであり、年齢に関係なく新鮮な刺激を受けて、関心のある事に取り組むのが一番ではないでしょうか」と増井研究員はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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