「猫ひっかき病」にご用心=秋から冬に増える傾向あり
空前の猫ブームの到来で、今や日本における猫の飼育頭数は1000万匹に迫る。だが、そばにいるだけで人の心を和ませてくれる猫が媒介する「猫ひっかき病」という感染症がある。日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)の丸山総一教授に注意点を聞いた。
◇1割弱の猫が感染
猫ひっかき病とは、その名の通り猫に引っかかれたり、かまれたりすることによって感染する病気だ。最初は、猫から受けた傷に虫刺されのような発疹ができ、その後熱が出て、患部近くのリンパ節が腫れる。場合によっては結膜炎や脳炎を起こすこともあるという。
猫ひっかき病の病原体は、猫の赤血球に寄生するバルトネラ・ヘンセレという細菌で、丸山教授らの調査によって、日本の飼育猫の1割弱がこの菌に感染していることが分かっている。
猫の体表には猫ノミが寄生している。ノミが猫の血を吸ってノミの体内にバルトネラ菌が入り、ノミのふんとともに排せつされる。猫は毛繕いをする際に、体表にあるノミのふんの中のバルトネラ菌を舌や歯、爪に付着させるため、人へと感染するのだという。
(2017/08/27 12:18)