「猫ひっかき病」にご用心=秋から冬に増える傾向あり
◇衛生対策の徹底を
赤血球には抗生物質が到達しにくく、病原巣や感染源となっている猫から菌を排除するのは難しい。また、人に感染すると菌は白血球に取り込まれるため、猫と同様に抗生物質が効きにくく、解熱剤や鎮痛剤による対症療法や自然治癒で対応することが多い。
引っかかれなくても体表に菌を付けた猫に触れ、その手で目をこすれば粘膜から感染する可能性がある。まれにノミから直接飼い主に感染したりすることもある。
「ノミを介して猫から猫に広がりますが、猫ノミは犬に寄生することもあるので、猫と同様に口や爪に菌を付けた犬から、人が猫ひっかき病を発症した事例もあります」と丸山教授は説明する。
猫ひっかき病になる人は秋から冬にかけて増えるという。ノミが多く発生する夏にバルトネラ菌に感染した猫が増え、気温が下がると猫は家の中で長く過ごすようになって、飼い主が猫と接する機会も増えるからだ。
とはいえ、すべての猫がバルトネラ菌を持っているわけではないし、引っかかれたからといってすぐに発症するわけでもないので、過剰に恐れることはない。
「一番の予防策は、猫に引っかかれないよう優しく接し、猫と触れ合った後はよく手を洗うこと。そして、飼っている猫のノミを定期的に駆除し、家の中を清潔に保つことです」と丸山教授。飼う側の意識を見直す必要もありそうだ。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/08/27 12:18)