治療・予防

パソコンやスマホを見る姿勢に注意=首や腕の痛み、頸椎椎間板ヘルニア

 ◇首を守る姿勢を意識

 頸椎椎間板ヘルニアが中年層に多いのは、元気で活動性が高く、しかも老化現象が忍び寄っていることにある、と大畑教授は指摘する。通常、首は自然な曲線(前方に突出)を描いている。頭の重さを首や肩だけで支えるのではなく、背骨と骨盤にも分散させるためだ。

 ところが、首をひねる、前後に曲げるなどの姿勢を繰り返し長く続けると、頸椎に掛かる負担が大きくなり、徐々に椎間板やその周囲の靱帯(じんたい)に傷みが生じ、首の正常な曲線が失われ、「ストレートネック」「スワンネック」などの変形が起こる。さらに椎間板も弾力を失いながら、やがて後ろに飛び出して神経を圧迫するようになる。パソコンやスマートフォンの長時間の使用は、頸部(けいぶ)痛や肩こりを助長させる。

 治療は、頸椎カラーという治療具を首に巻いて、頸椎への負担が少ない姿勢を保持し、消炎鎮痛剤などで痛みを和らげる。日常生活に支障が生じるようなら、椎間板を切除して金属で固定する手術を行う。

 「普段から猫背にならないよう姿勢には注意を。パソコンの画面に向かう時はあごを引き、特にスマートフォンやタブレットは、うつむかずに済む位置で使用するよう心掛けてほしい」と大畑教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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