「酒さ」の意外な治療法=口腔ケアで症状を緩和
顔面に赤みが出る「酒(しゅ)さ」。中高年に多く見られ、症状が進行すると、両頬が赤くなったり、鼻が赤くでこぼこになる鼻瘤(びりゅう)が表れたりする。原因不明で難治性だが、すずひろクリニック(さいたま市)の鈴木王洋(すずき・きみひろ)院長は、意外なアプローチによって治療効果を上げている。
◇口腔衛生が関係
酒さは重篤な病気ではないが、特に女性は見た目を気にしてあちこちの皮膚科を回るケースが多い。軟こうや内服薬による治療のほか、美容皮膚科などでは拡張した毛細血管にレーザーを当てる治療も行われているが、これらはあくまで対症療法にすぎないという。
皮膚疾患やリウマチ、膠原(こうげん)病の診療を行っている同クリニックには、皮膚炎や口内炎などが表れる難病のベーチェット病の患者も多く来院する。
口の中の衛生状態と全身症状の関連に長年注目してきた鈴木院長は「口腔(こうくう)内の細菌が多くなると、体の免疫系が過剰に反応し、その結果、白血球が過剰に活性化して炎症を引き起こすと考えられます。口腔ケアを徹底すると皮膚や粘膜などの全身症状が沈静化することを、過去20年ほどの臨床経験で実感してきました」と話す。
(2018/01/11 15:32)