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がんにはそれぞれガイドラインが用意されており、多くの医師はこのガイドラインを参照して治療法を選びます。ガイドラインに記載されている治療を、「標準治療」と呼びます。
どの治療を標準治療に選ぶかは、その分野の専門家集団が世界中のあらゆる論文を調査して決めます。そして日々新しい臨床試験の結果が論文発表され、何を標準治療にすべきかが変わるので、その都度更新されていきます。ガイドラインは書籍として販売され、何年かごとに新しい版が出ます。
しかしこの何年かの間にも新しい試験が行われるため、学会のホームページ上のウェブ版のガイドラインが定期的に更新されていきます。われわれ臨床医は、更新のたびにこれを確認することで、「現時点で最も勝率の高い方法が何か」をリアルタイムに知ることができます。
当然、効果だけでなく安全性も考慮されます。つまり、副作用がきっちりコントロールできるかどうか、ということです。同じ効果が証明された薬でも、副作用が強いなら標準治療として採用はされません。一方、副作用が多少強くても、それが薬で予防でき、コントロールが可能で、かつ効果が高いのなら、標準治療として選ばれます。これが標準治療の定義です。
テレビや雑誌などのメディアではさまざまながん治療が絶えず紹介されています。芸能人など、有名な方が行ったがん治療の報道は、多くの人に非常に大きな影響を与えます。実際がんの治療中の方を動揺させてしまうこともあります。
また私が外来で患者さんを見ていて強く感じるのは、「どれほど信頼できる臨床試験に効果が裏付けられた治療より、身近なたった一人の知人の経験が治療選択に影響を与えることがある」という皮肉な現実です。
もちろん、どんな治療を選ぶかは個人の自由です。ただ、われわれ医師は患者さんに、後悔だけはしてほしくないと思っています。もし治療がうまくいかなかったとしても、「あの時点では、世界中で一番勝てる確率が高い治療を私は選んだのだ」と思えるようにしておくことが、後悔しない一つの方法ではないでしょうか?
(2018/06/28 18:32)
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