乾癬患者のつらさと苦悩
感染症との誤解が多く
◇患者のつらい体験
啓発イベントでの江藤副院長と角田副会長
全国22都道府県の患者会で構成される「日本乾癬患者連合会」の柴崎弘之事務局長は、自身の職場での経験として「周囲への落屑のため、持ち回り式の仕事場で、一人だけ決まった場所で仕事を続けさせられた」と体験を紹介した。同時に、ふけのように落ちた皮膚が目立たないようにするため、濃い色の服はなかなか着られない。衣服で隠せる背中や腹部だけでなく、上腕部や髪の毛の生え際などにも出てしまうことから「周囲の視線を常に意識しなければならなかった」と日常生活での苦労を語った。
皮膚そのものを露出する入浴やプールなどではより深刻な問題になる。同連合会の角田洋子副会長は「昔、温泉に入浴しようとした際、脱衣所で背中の紅斑を見た女性客から『(感染する)とびひの人が入浴しちゃ駄目じゃない』」と厳しい口調で言われた。「病気の説明もできずに、髪の毛がぬれたまま脱衣所を飛び出した」と語った上で、現在でも落屑をふけと勘違いされて温泉などでの入浴やプールの利用を断られる状況が続いていると指摘した。これを受けて手柴崎事務局長も「感染しない病気、ということを知ってもらうこと、患者が不潔な状態にないということをぜひ知ってもらいたい」と訴えた。(時事通信社 喜多壮太郎・鈴木豊)
- 1
- 2
(2018/11/04 06:00)