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暗い場所で続く見えにくさ
経過はさまざま-夜盲症

 明るい所から暗い所に行くと、時間がたつにつれ目が慣れ、周囲の様子が見えてくる。ところが、夜盲症の人はいつまでたっても目が慣れず、見えにくいままの状態が続き、歩くこともままならない場合がある。新宿東口眼科医院(東京都新宿区)の新川恭浩院長は「夜盲症には先天性と後天性があり、進行度合いが違います。失明を心配する人もいますが、必ずしもそうした経過をたどるとは限りません」と話す。

時間がたっても暗さに目が慣れず、見えにくいままに

 ▽先天性と後天性

 目の網膜には、錐体(すいたい)細胞と杆体(かんたい)細胞と呼ばれる、光を感じ取る2種類の細胞が存在する。錐体細胞は明るい所で色や形を見分け、杆体細胞は暗い所で明るさの度合いを感知する。例えば、映画館のような暗い所では杆体細胞が働き(暗順応)、外へ出ると錐体細胞が働く(明順応)というように、二つの細胞が明るさに応じて切り替わるようになっている。

 夜盲症は、杆体細胞の機能異常で起こり、暗順応ができずに見にくいままの状態が続く。先天性と後天性があり「先天性の場合は遺伝的要因が大きく、原因遺伝子が多数報告されていますが、原因不明のことも多く、経過には個人差があります」と新川院長は説明する。全く進行しない人もいれば、10年、20年かけてゆっくりと視野が狭くなり、失明に至る人もいるという。

 後天性の要因としてビタミンA欠乏症が挙げられるが、現代は食生活が豊かになり、発症頻度はかなり低い。他にも、網脈絡膜炎などの他の病気から夜盲症になることがあるという。

 ▽定期的に受診を

 夜盲症は、視力や視野の検査の他に、腕から点滴で造影剤を注入しながら、目の中の血管の状態を診る蛍光眼底検査、暗順応の検査で診断がつく。

 後天性の場合は、元となる病気の治療やビタミンAの摂取で改善が見込まれるが、先天性の場合は、有効な治療法は見つかっていない。「なるべく明るい所で行動するようにし、紫外線が症状の進行に関係することがあるので、眼科で遮光眼鏡を処方してもらう必要がある。同時に、定期的な受診で、自分の目の状態を把握するようにしてください」と新川院長。

 夜に部屋の電気を消しても目が慣れない、暗い所で物にぶつかったり転倒したりする、曇りの日は道を歩きにくいといった症状がある場合は、一度眼科を受診することを新川院長は勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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