一流に学ぶ 日本女性初の宇宙飛行士―向井千秋氏

(第3回)「体鍛え、人付き合いも」 =文武両道、医学部スキーで学ぶ

 慶応大医学部在学中、向井千秋氏はスキー部に入部。受験勉強から解放され、年間50~60日は山にこもる生活へと変わった。「冬はほとんどスキー場にいたかな。スキー場から大学の試験に通ったり、山を渡り歩いて、合宿と合宿の間に大会に出たり。猛者連がそろっていて、医学部の中でも留年する人が多いクラブでしたけど、親の学費の負担を考えて、留年だけはしないという前提条件で好きなことをしていました」

 向井氏は5歳ごろにスキーを始めていたので、すでに経験者だった。育った館林に雪はなく、周囲にスキーをしている人はほとんどいなかったが、家族でスキーに出かけることもあったし、市役所が主催する日帰りツアーにもよく参加した。

 「父は教育者なのに、学校がある土曜日の午前中にスキーバスが出る時には、『スキーは冬しかできないんだから』と話す。その一方で『でも、学業がおろそかになるんだったら、スキーはできないよ』と諭す。そう言われると『やっぱり学校の勉強もうんとやるからスキーに行かせて』っていう話になるじゃない」

 医学部のスキー部合宿は、節約のために男女混合で大部屋で寝泊まりするのが普通だったというが、とくに抵抗を感じることもなかったという。「押し入れの中で着替えたりすれば、まったく問題なかったですね。宇宙飛行士になって、スペースシャトルの中でも、Tシャツを着て下から体を拭けば、服を脱がなくてもいいし、スキー部で慣れていたから苦もなくできました」

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