一流に学ぶ 日本女性初の宇宙飛行士―向井千秋氏

(第3回)「体鍛え、人付き合いも」 =文武両道、医学部スキーで学ぶ

 ◇回転で優勝、大回転で3位

 大学5年の時、北海道富良野で開かれた東日本医学部スキー大会では、回転で優勝、大回転で3位の成績を収めた。文武両道が大切だと向井氏は言う。体を鍛えられる時には運動もして、人との付き合いも学ぶことが大切なのだと。

 「世の中に出てみると、勉強が一番できたからというだけでいい仕事ができるわけではない。それより、よっぽどみんなと連携する力や、チームの人との付き合い方を身に着ける方が大事」と向井氏は言う。

 医師になり、志を高く持ちながら若くして亡くなる患者を診ることが増え、体が資本という思いが一層強くなった。「健康じゃないと、どんなに頭が良くてやりたいと思っていても、できるだけの力がなくなっちゃう」と向井氏。「元気な時に運動して体鍛えた方がいい」と、若い人たちにはいつも言ってるという。

 心臓外科医の激務や宇宙飛行士の厳しい訓練を乗り越える力は、ここで培われたのだろう。スキー部の練習に明け暮れながらも、留年することなく1977年に慶応大医学部を卒業した。(ジャーナリスト・中山あゆみ)

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