一流に学ぶ 日本女性初の宇宙飛行士―向井千秋氏

(第6回)宇宙飛行士、宝くじのつもりで =病院当直明けに募集記事

 当直明けの向井千秋氏が、病院でコーヒーを飲みながら新聞を開くと、日本人宇宙飛行士募集の記事が偶然目に留まった。「え? こういう時代になっちゃったんだー」と驚いた。ロシアや米国の軍人しかなれないと考えていたが、日本人で、しかも科学者や研究者が宇宙に行けることに感激したという。

 子どもの頃からその気になりやすく、近所においしいパン屋ができればパン屋さん、オペラを見ればオペラ歌手など、いろいろ夢を見てきたが、宇宙飛行士は考えたことはなかった。

 記事を読むと、宇宙で行う実験内容などが書いてあり、その中に宇宙医学なども含まれていた。向井氏は「面白そうだな」と思って、記事を切り取って財布に入れたという。チーフレジデントを終え、受け持ち患者もなく、研究に従事できる期間に入ったタイミングだった。

 「そういえばガガーリンが地球は青かったと言ってたよな、などと考えた。重力のない世界ではどんなことが体に起きるかとか、すごい興味持っちゃって」と向井氏。合格するはずがないと思いながら「宝くじを買うつもり」で応募した。記事を目にしてから3日とかからなかったという。

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