一流に学ぶ 心臓カテーテルのトップランナー―三角和雄氏

(第11回)
スーパースターは要らない
当たり前のことを普通に

 三角氏が必死で集めた研修医たちはすでに、中堅医師として千葉西総合病院の主戦力になっている。「この病院は症例数が多く、短期間で経験が積める。他の病院で3年かかることが1年で身に付きます」と三角氏。研修希望者は引きも切らないという。

 弟子に伝えたのは「やってはいけないことをやらず、当たり前のことを普通にやる」というシンプルなメッセージ。「簡単なようで意外に難しい。どこかでエゴが出たり、さぼろう、はしょろうとしたり、ズルしようとしたりするからおかしいことになる。やるべきことを地道にやることが大事です」。ロータブレーターという最難関の技術をいち早く身に付けた三角氏だが、基本こそ大切と強調する。

 「スーパースターになる必要はない。他の人ができないことを率先してやり、『どんなもんだい』と言うのは決してよろしくない。他の病院でダメだった症例をやることもあるし、それを行う技術も必要。でも、そういう例は10%あるかないかですよ」

 難治療を成功させることが目的ではなく、多くの症例を確実にこなすのが大切。治療成績が良ければ患者が集まる。多くの症例を経験すれば、さまざまな合併症に対応でき、より安全な治療ができる。そこを目指すべきだという。「心臓だけじゃなくて、全身の血管を治療できなければダメ」。三角氏は心臓カテーテル治療で日本一になったからといって、甘んじることはない。

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